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special短編



「……いいの。」

「え?」

「これはいいの!」


聞こえなくて聞き返すと珍しく彼女が声をあげた。


驚いて俺はつい手を離してしまった。


「ご、ごめんねっ?あ、もしかして有栖川ちゃんのだった?」


そう言うと彼女はうつむいたままこくんと頷いた。

その時俺は見てしまった。彼女の顔が赤かったのを。
彼女が持っているそれはどう見てもプレゼント。

誰にあげるんだろうか。


俺はそのプレゼントを貰えるやつを羨ましく思いイライラし始めた。

いわゆる嫉妬だ。


「……いいなぁ、それ貰えるやつ。」


「え?」

「…えっ?」

「今なんて……。」

「………。」


しまった、と気づいても時すでに遅し。

知らぬまに声に出てしまっていた。

驚いた様子の彼女を見るとばっちり聞いてしまったようだ。


「あ…えっと……ちがうんだ!今のは気にしないで、プレゼント渡して来なよ!…じゃ…」

逃げるように去ろうとしたら待って!とまた彼女が声をあげた。


ゆっくり振り替えると目の前には彼女が持っていたプレゼントがずいっとつき出された。


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あきゅろす。
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