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special短編




私は湖のある原っぱへと来た。手には先程の紙袋。さっき彼らにあげたマカロンの他に大きめの箱がはいっている。

その箱を開けると中には私が作ったホールのチーズケーキが入っていた。
ケーキの上にはちょこんとHappy Birthdayの文字が書かれたチョコが乗っていた。

これはレンの誕生日のために作ったものだ。いつからだろう。レンの誕生日にチーズケーキを作り始めたのは。何故か毎年変わらずチーズケーキをレンは欲しがった。
もうお約束みたいなものだった。


今年も作ってはみたが、先程の彼の状態を見て思った。


もう潮時だと。そろそろ私は身を引くべきだと。そう思った。


だって彼の周りにはたくさんの女の子たちがいるからプレゼントだってたくさん貰うだろうし、それに彼の心は私には向いていないと気づいたから。



早乙女学園が恋愛禁止だと言うのは充分理解している。

でも長年の思いはそう簡単に消すことは出来なかった。



そんな中、レンが春歌ちゃんと仲良くなっていくのをみて、胸が痛くなったが春歌ちゃんにならとられてもしょうがないかなって思えてきた。

今を逃したらいけない。今なら潔く身を引ける。




私は強く決心した。そしてこの長年の思いがつまったケーキを捨てようとした。想いをのせて。


私は箱を持つ手を高く上げた。














































「ポイ捨てはいけないって習わなかったのかい。」


高く上げられた手を振り下ろすことはできなかった。
なぜならその手を誰かに押さえられたから。



私はこの声を知らないはずがない。



ゆっくり振り返ると、





そこにはレンがいて、私の手を掴んでいた。

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