special短編
め
「お邪魔しまーす。」
彼のあとに着いていくと彼の部屋へと案内された。
真の家にくるのは初めてで私の心臓はとても速く動いていた。
「ここが真の部屋…。」
部屋につくとあらかじめ用意してたのか、ジュースとコーヒーが置いてあった。
初めて見る彼の部屋はなんとも綺麗に、というか無駄なものが置いてなくてシンプルだった。
物珍しそうに部屋を見回していると、早く座れば?といつもの無愛想な顔で言ってきた。
いつものことなので特に気にするでもなくテーブルを挟んで真の向かい側に座ると彼の眉間の皺がよりいっそう寄った。
「お前なぁ…。」
「え?」
座っただけなのにため息つかれたんですけど。
きょとんとしていると真は自分の隣をトントンと叩いきながらボソッと言ったことを私はしっかりと聞き取った。
「隣、来いよ。」
照れたのかふいっとそっぽ向いてしまった。
そんな彼が愛しくみえて仕方がなかった。
「ふふっ。」
「…笑ってんじゃねーよ。」
「わっ!?」
隣に行った瞬間にグイッと腕を引かれて抱き締められた。
部活で鍛えている身体は見た目以上にがっちりしていて大きくて、私をすっぽりと包み込んでしまう。
いつも意地悪だけど抱き締めてくれる力は優しくて、あたしはこの感覚が大好きだ。
全身で愛を感じられてるみたいで。
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