オリジナルの部屋
私信
それは僕が17の時じゃなかったかと記憶しているものだから、多分、約9年前。
9年前の2月12日。
僕は君に告白をしました。
忘れる筈も無いだとか格好良い事を言いたいけれど、生憎僕の記憶力は壊滅的なので
実は「何日だったかな」なんて考えてしまった事をまずは謝りたい。
ごめん。
なんでだか、センチメンタルな気分に今夜はなってしまっていて
それは多分、恋愛小説を読んだからだとか、低気圧で寝転んでいたいだとか
そんなどうでもいい、語る必要性なんてこれっぽっちも無い理由なのだけれど
でも、きっと
昨日、期せずして君にプロポーズをした事が一番の引き金なのだと思う。
だから、色々考えてしまっているのだと、そう思う。
9年。
短くはない。
例えば僕が、そんなに長生きするつもりなど無いのだけれど
90歳まで生きるとしたら
もうこれで人生の10分の一を君と恋人同士で居た事になるし
実は僕が27歳なのだとしたら
実はも何も無く今年には27になるのだけれど
そうしたらば人生の三分の一を君の恋人として過ごしていた事になる。
そして、僕は君に告白するまでに片思いの期間を
5年
持っていたりするので
これは僕も驚きの現実なのだが
産まれて来てからの半分以上を
君に心奪われていた事になっていたりする。
空いた口が塞がらなかったら病院行きなので、そこは閉じるが。
別に
恋に時間なんて関係無いし
愛に時間なんて必要無いらしいので
そんな事で何を言う気も無いけれど。
今更。
本当に今更。
ただ、なんとなく
考えて
計算して
逆算して
回想して
なんてことのない事実に
ただ
ただ
驚いてしまった。
9年も前の事だけれどまだ
僕の記憶力ではこれもまた驚きなのだが
この関係が始まった日の事は覚えていて
あの時は電話での告白だなんて
もう、愚にもつかない事をやってしまった
実はそれを
まだ、後悔していたりします。
そして
今でも分からないのだけれど
なぜ、君はあの時
僕の申し出を受けてくれたのか
本当に
不思議で仕方がないのです。
あの時、僕はヘタレだったから
いや、今でもヘタレなんだけど
好きです
と。
それだけしか言ってないはずで。
心の中では
告白をするだけ
恋人関係なんて求めるな
期待するな
などと
当時にしてみれば格好良い事を
今にして思えば格好悪い事を
それはもう考えていたのです。
付き合って下さい、とは
言った記憶が無い。
君が手を引いて
くれなければ、今の関係は無かった
なんて知ってた?
君が
いいよ、と
言ってくれなければ
この9年間は無かったし
僕は
君に
触れることも無かったでしょう。
こんな事を言って
伝えて
何がしたいのかは分からないし
君に何を期待しているのかも分からない
なんて
そんなところも僕は
9年前と変わっていません。
何が変わったかは分からないし
何が変わらなかったかも分からない
9年でした。
僕は
君が好きだと言ってくれた
あの日の僕とは違うだろうし
全部が全部違うとは言わないけれど
君が好きだと言ってくれている
今の僕はあの日の僕ではありません。
きっと10年後の僕も
また
今の僕ではありません。
君と
僕と
結婚するという事は
これから先
20年
30年
僕は変わってしまうという
そういう意味です。
それは僕ではありません。
細胞的にも。精神的にも。
そのリスクを君が背負ってくれるのならば
僕はあの日
告白に電話を用いたみたいに
卑怯で
卑屈な
こんな通信手段を用いて
君にまた
変わらない僕をアピールする賢しい意味も込めて
君にまた
告白をします。
でも、前と違うのは
好きです
では、終わらない事。

好きです。結婚しよう。

いつ、君がこの記事を見て
いつ、君が返事をくれるか
少し
楽しみで。


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あきゅろす。
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