オリジナルの部屋
To you, for me.
死にたくないなぁ、と思いながら
死にたいなぁ、とも考えた
もしも決断をしたとして
君になんてさよならの手紙を送ろうか
そんな事を少しだけ考えた

『貴女が好きです。だから生きて下さい』

なんて短いさようなら

僕の大好きな貴女は、僕を大好きだから
僕が死んでも、僕の後を追わないようにと
この想いは本物

君の声で鮮やかに再生されたのはなぜ?

『貴方が好きです。だから生きて下さい』

たったそれだけ
君に言われたなら
それだけで僕は一日思い止どまるだろう

明日に期待なんかしないけれど
ヒトなんて大嫌いだけれど
生きていく自信なんてこれっぽっちも無いくせに

それでも、一日だけ「僕」が延長される

君に言おうとした
エゴの塊は
けれど君の口から君の声で放たれたら
それはお別れの言葉であった素振りも見せないで
僕を延命させる
魔法の言葉になる

『あなたが好きです。だから生きて下さい』

誰に向かってか
どちらの意味かも分からずに
心の中で呟いて
君を想う
君さえ生きていてくれていたら
なんて
殊勝な無欲な高潔な
魂は持っていない
残念だけど
僕はそれだけじゃ生きられない

筈なのに

僕が君の生を望むように
君が僕の生を望むことを
知っているから
教え込まれたから
僕は死ぬ事を毎日考えて
僕は死ぬ事を毎日思い止どまるんだ
生きているなんて
お世辞にも言えない

依存してる
そんな事は分かってて
君が死んだら僕はきっと後を追う
そんな事を君に告げる僕は

僕を命から解放してくれ、と願いながら
僕を命に縋りつかせてくれ、と願いながら

死にたいと生きたいの
せめぎ合いに結論は出なくって
けれどね
どちらの中心にも
君が居るんだ

それがどういうことなのか
分からないし
これを君に聞かせたところで
何を伝えたい訳じゃない

君に伝えたい事は
きっともうない
だって僕が君を愛してること
君が僕を愛してることを僕が理解してること
君はもう
知っているでしょう

一日一日を
呪って生きるよ
死にたいと生きたいの間で
死んでないをまだ続けそう
君に愛してると大嫌いと大好きと
愛してるを贈る
この想いは本物
死にたくない
だから、聞きたい

僕にこの呪いを掛けた貴女の口から
魔法の言葉

『あなたが好きです。だから生きて下さい』


貴女が好きです。だから生きています

世界でたった一人
貴女が好きだから
僕はまだ生きています


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