幸せになれるか否か
――遼くんが本当に幸せになれる人と結ばれれば良い。
酷い言葉をぶつけたつもりだった。遼くんの気持ちを全く考えない自分の感情を優先したわがままに、予想通りに呆れ、怒って見捨ててくれると思ってた。
けれど一瞬だけ緩んだ腕はすぐに拘束する力を取り戻し、抱き潰されると思うほどに強く。身動きを取れなくしていく。
大きな音を立ててドアが閉まった。
それは自由になる足を使って、せめて後ろに逃れようとした私を更に密着して引き止めようとしたからで。
その音を合図にしたように、微かな、掠れたような声で問いかけてくる。
本当にそう思っているのかと。
迷わず頷いたのが説得力を増す効果となったのかは分からない。
ただ遼くんは私の肩に顔を押し付けたまま、言葉の端々に嬉しさすら覗わせて言った。
「そう。じゃあ晴乃は僕の傍にいるしかないね」
時が止まってしまえば良かったのに、平等で残酷な時間は今も刻一刻と流れ続けている。
待ち合わせの日時と場所を決めさせてもらったのは私だった。同じところなんだし、無駄を省くためにもどうせなら一緒の日にしちゃおうと思って。
でもやっぱり詰めが甘かったのかな、エレベーターで下りながら携帯の画面を見るともう五分遅れている。
やきもきしていると、やがてニ、一と回数を示す上部のランプが赤く点滅して、ゆっくりと動きが止まった。
ボタン付近の男性が開を押してくれたので、優しさに甘えてクリーム色の室内から先に出させてもらう。視線を左右に動かして、すぐに一点で目を留める。
その人はエントランス中央にある受付の横に立っていた。
受付担当の女性と話すでもなく、手持ち無沙汰に携帯を弄るでもなく、細身のスーツに包まれた腕を組んで睨むように入り口の自動ドアを見据えている。
私があっちから来ると思ってるんだろうな。
そう思うとちょっと面白くて、悪戯をしてみたい気分になる。
数回話すと第一印象って大抵変わるものだけれど、不思議なことに初めて会った時とほとんど変わらない。見た目通りの華やかな女の人。
ただの赤じゃなくて、深い紅が似合う。
計算してわざと後ろから近付いて声をかけると、その人はきつく眦を吊り上げて振り向いた。
「会社に用事でもあったの?」
「はい、少しだけ。お待たせしてすみません……こんばんは、あおいさん」
軽く会釈した私に、あおいさんはふんと高飛車に鼻を鳴らして目を細めた。
一月初旬に会った時と視線の位置が違うと思ったら、そう、黒いパンプスの高さが格段に低くなっていたんだ。
髪も華やかだけれど、きちんと一つにまとめている。
仕事をする女性なんだな――何だか、無闇に敵視していた自分が恥ずかしいかもしれない。
「随分余裕があるのね。この前とは大違い。六条総会が明日に迫ってるんでしょう?」
そう言われれば苦笑するしかなかった。余裕、なのかな。
今更足掻いたってどうしようもないから、諦めて、今の幸せを大切に思って、ただその時を待っているだけなんだけど。
「余裕というか、踏ん切りがついただけですよ」
「ふぅん。まあ、良いでしょう。来てくれたことには礼を言うわ、よく逃げなかったわね」
たらこスパゲッティー騒動があった日、旭くんが渡してくれた白い封筒の中にはメモが入っていた。
パソコンから取得できるフリーメールのアドレス。上部にそっけなく、話がしたいから連絡して、と流麗な字で綴られている。あおいさんからだった。
それで、何度かメールの交換を繰り返して会う約束を取り付けられ、今に至る。
……られ、っていうのはおかしいな。私もあおいさんと話したかったとこあるし。
よく響くあおいさんの声は張りがあって聞こえやすく、良くも悪くも注目されてしまう。
穏やかでない空気を察して、すわ喧嘩かと視線を向けてくる会社員さん達から逃れるように声をひそめた。
迷惑をかけるのは本意じゃない。
「私、あおいさんと戦うために来たわけではありませんよ」
分かりやすく不機嫌な表情になりながらも、意図を察してくれたのか、あおいさんも小さな声で返してくれる。
「じゃあ何で来たのよ」
「貴女がどんな人か知りたかったのと、それから、遼くんの仕事内容についてです」
「……ああ、そう。夫婦揃って惚気るわけね」
あおいさんはやだやだ疲れた、と呟いて、私を置いて足早に先を歩き出した。
会社を出てからも私があおいさんの後ろを小走りで追いかける形だった。
仕事ができる女の人は皆こうなのかな、歩くのが早くてまるで風を切っているよう。
真冬なのにマフラーを使わないで、寒そうに首をすくめもしないで、細身のコート一枚で歩く姿はとても目を引く。
ドラマ撮影か、なんて通り過ぎた人が小声で喋ってた。
駅が近付いてくると、あおいさんは急に歩調を緩めて私の横に並んだ。
「晴乃さんのこと、色々調べさせてもらったわ」
「……はい?」
ふいに、それも前を見据えたまま言われたものだから、私はとっさに反応できなくて。
慌ててあおいさんを見るとやっぱりというか何というか、呆れられた。
迫力がある美人に睨まれると怖い。……失うものは何もないから、十二月よりかは全然怖くないけど。
「何驚いたような顔してるのよ。名前を呼んだこと? 勝手に調べたこと? どっち? 言っておくけど私は謝らないわよ。名前で呼べと言ったのは晴乃さんじゃないの。六条さんだと被るし、奥さんなんて間違っても呼びたくないわ」
「どっちも、です。まさか本当に名前で呼んでもらえるとは思っていなかったので、驚きました……ごめんなさい」
咄嗟のごめんなさい、は間抜けな対応をしたことにだった。
言い終えてからありがとうございますにするべきだったかなと思ったけど、あおいさんは「別に」と素気無く顔を背けてしまい――ううん、私の言いたかったことは伝わったみたいだ。
だって目に宿る光が少し、優しいものに変わっている。
「で、調べたら晴乃さんの言っていたこと、少しは意味が分かった。私は晴乃さんみたいな生まれじゃないし、本ッ当にこれっぽっちだけどね。共感出来たのは雀の涙ほど」
はっとして思わず息を呑んだ。
左右のすぐ近くに人がいないか目を動かして確認し、聞かれないように意識して声は小さく。
あおいさんが見つけたのは、財力と地位を活用して調べれば分かる、でもそこまでしないと分からない、動かしようのない事実。
初詣に行った時に、旭くんに言われた言葉を思い出す。
「……どのように思われましたか?」
「馬鹿げてる」
きっぱりと言い捨てたあおいさんは、そのまま強い調子で私を睨み。
「香坂が従者(ヴァレット)だったのは遥か昔のことでしょう。例えそれが現代に続いていたって、夫婦になったら同等じゃない。だから私はそれを理解しない晴乃さんが嫌い。今もよ」
香坂っていうのは、もちろん私の実家のこと。
香坂にはかつて、本家への忠誠心が厚い気質ゆえに、他のどこよりも多く侍女や従者を輩出していた過去があって。
現代になって古い風習が廃れても、根本的なところは変わってない。持って生まれた血と環境と、教育。
私にも少しはそれが引き継がれている。
目的地までは地下鉄での移動になるから、あおいさんをいつの間か先導する形で狭い階段を下りていく。
二人横に並ぶのはどうしても無理がある幅。
でもそのおかげで、ゆっくりと十二月のことを思い出せた。
あの時は、ともすれば傷つきそうになる自分を守るのに必死だった気がする。
「確かにあの時の言葉は、ちょっと行き過ぎてたかもしれません……」
「ちょっとじゃなくて、かなり。――電車代、いくら?」
階段を下りた先は切符売り場になっている。
広い空間に足を踏み入れると、あおいさんは私の横をすり抜けて券売機の前で立ち止まった。
路線図を見上げて、呟きを拾って聞くと現在地の確認から始めている。
乗換えなんてしないし、第一。
「チャージは嫌なの、面倒くさい。購入だって大変だったのに」
図星。まさに、電子マネーを使えば良いのにって思ってた。
現に私のバッグの中には定期を兼ねたそれが入っていて、今から使おうとしていたもの。
「はあ……。二百十円です」
路線図をまともに見るなんて何年振りだろう。
もうパネルを押し始めたあおいさんに代わって読み上げた後、邪魔にならないように少し離れた場所で待って。
「ありがと。はい、これ」
戻ってきたあおいさんは、二枚のうちの片方を私に向かって差し出した。もしかしなくてもこれ、私の分なのかな。
受け取って、代金を払おうとバッグから財布を取り出せば片手で制される。
そんな、と思わず呟いたら細めた目で睨まれた。
「学生で、バイトも出来ないんでしょう。呼び出したのは私だし、今日はびた一文払わせないつもり」
後半はともかく、前半は当たりすぎていてぐうの音も出ない。今、私の財布に入っているお金で、自分で稼いだのは一円もないんだから。
……多分そんなつもりで言ったんじゃないんだろうけど、世間知らずだと言われているみたいに聞こえて。
自覚していたこととはいえ、胸がチクリと痛む。
俯きながら財布を仕舞い、あおいさんの隣の改札を選んで中へ入る。
ビジネス街と言えるこの駅は土日になると人がまばらで、ホームに降りてもあまり人がいなかった。
反対側のホームもそう。
「そういえば、前に駅で晴乃さんと会ったわね。私が六条さんと一緒だった時のことよ、覚えている?」
ちょうど同じことを考えてたんだろう、あおいさんも反対側のホームを眺めながら言う。
地下鉄ではあるけれど、向かい合わせになった二つのホームはあの時を思い出させるのには十分だった。
線路を挟んで、向こう側。どこから見てもお似合いのカップル。
……そうか、あおいさんは私がいることに気付いてたんだ。
「忘れられるわけ、ないじゃないですか」
けれど、もうそこから目を逸らしたりはしない。
下りてきた階段から近い場所で立ち止まり、過去と向き合うべくまっすぐホームを見つめると、そうね、とあおいさんも頷いた。
横顔から読み取れる感情は優越感でも私への軽蔑でもなくて、悲しみと悔しさが一緒になったような。
「私も忘れられない。六条さんとの最初で最後のデートだったし。……あっちはそんな自覚なかっただろうけど」
一応、まだ遼くんの奥さんである私がフォローするのはおかしい気がして、あえて黙ってた。
そうしているうちに電車が来るというアナウンスが流れ、それを切欠にまた話し出す。今度の話題はあおいさんの経歴について。
「私、ずっとフランスにいたのよ」
「フランスですか?」
すぐさま頭に浮かぶのはワインとエッフェル塔。
聞いてみたら服飾関係に興味があって、それで高校時代はフランスに短期留学していたとか。
ちょっとだけフランス語を喋ってくれたんだけど、大学の先生と同じくらい流暢に聞こえる。
「晴乃さん、私のこと全然調べなかったのね。本妻の余裕? ライバル視すらしてくれなかったの?」
そんな、まるで調べるのが当然みたいな言い方をされても。
「……調べる発想に行き着かないだけですよ」
そりゃあ余裕はなかったし、ライバル視も思いっきりしてたよ。でも顔は知ってる。
正々堂々名乗ってくれたから、誰だか分からない人じゃない。調べようなんてこれっぽっちも思わなかった。
地響きに似た大きな音と、スカートを翻させる強風を起こして電車が滑り込む。
数分後に急行が来るからか、朝のラッシュ並みに込んでるって訳でもなければ人がいなくてガラガラな状態でもなく。
次にするか、これに乗るか。
私が迷っているうちに、あおいさんは迷わず乗り込むとドア付近に立った。もちろん私はその隣。
「良いの? そんなにのんびりしていて。あの人、すごくモテるのに」
声を潜めて、遼くんのことをぼかして呼んでくれるのは優しいからだ。
……だったら二人きりでいられる場所で話した方が良いはずなんだけど、今の雰囲気がはぐらかすのを許してくれない。
「モテた結果、私といるよりも幸せになれる人を見つけられるなら良いと思います。……それで、フランスって?」
短期留学したくらいじゃ『ずっと』にはならないよね。
それとなく水を向ければ、あおいさんはふふんと得意げに笑って指を折る。
一つ、はおそらく高校時代のことを指しているんだろう。
あっという間にニつ、三つと順に折られた。
「あっちの大学に行って、就職だけ一度帰ってきて語学力を買われてとんぼ返りするように転勤。以後、日本に帰ってきてない。今回のプロジェクトに参加するので初帰国」
「本当にずっとなんですね……」
あおいさんの経歴もそうだけど、いくら能力があるとはいえ、新人さんをいきなりフランスに飛ばしちゃうお義父さまも凄い。
六条グループって結構むちゃくちゃだ。
とりとめもなく考えて、ふと分かった。
フランスにいたあおいさんはここ数年の日本の変化に疎い。
駅の近くになっていきなり歩くスピードを落としたことも、電子マネーじゃなくて切符を買おうとしたことも全部。
「だからさっき」
言いかけた口をあおいさんが閉ざした。
「浦島太郎ってこんな感じかしら」
傍目には何もしていない。紅く塗られた唇を歪めてただ笑いかけられただけなんだけど、何となく怖くて。
例えるならそう、それ以上言うなと表情で脅してくる、威圧。思わず黙り込んでしまった。
笑みを解いたあおいさんは銀色の棒に爪を立てて、憂うようにそっと瞼を伏せる。
「あの日は私があの人に無理やり頼み込んだの。久しぶりに母校に行きたいけれど電車が不安だと言って。――晴乃さんがあの人を拒むのは、私が理由?」
……ああ。
誤解だったんだ。
遼くんは、自分から望んであおいさんと一緒にいた訳じゃないんだ。
心のどこかでドロドロと固まっていた気持ちがとけて行く。
小説や漫画でよく聞く、胸がいっぱいって感覚を初めて知ったよ。後に残ったのは、一つ。
「いいえ。こう言うとあおいさんに失礼かもしれませんが、あおいさんの存在が理由ではありません。それに、遼くんに否があるのでもない」
「それなら」
小さく、頭を左右に振った。
「私のせいです」
なんて利己主義。なんて自分勝手。
分かってる、でももうこれしか打つ手がない。
明日、私と遼くんに与えられるはずの運命を変えることなんか出来ない。
次の駅に到着するとドアが開き、短い音楽が鳴った。
幾つもの路線が交差しているせいか多くの人が出て行って、同じだけ、ううんもっと入ってくる。
あおいさんは私を引きずって邪魔になりそうなドア側から車両の奥に向かい、立ち止まると私を睨んだ。
嫌悪と反感を視線に乗せて。
「自分が身を引けば何もかも丸く収まるって考え、嫌になるわ。さっき、幸せ云々って話したわね」
今度は怯まなかった。遼くんが幸せになれれば、その横にいる相手が私じゃなくても構わないって思ってるのは確か。
「ええ」
「あの人が晴乃さんが良いって言っているのに、まだそれを言うの?」
「そうです」
「頑固ね」
はい、と再度頷いて微笑んだ。遼くんに告白してから予想するのはいつだって悲しい結末で、どうしても楽観的にはなれない。
でも、どんよりした暗い顔で肯定すれば、とたん、涙が出てくるに決まっている。そして涙を流すのは、自分にとっても周りにとっても、とても疲れること。
「……私は、子供です。そして子供のまま、あの人の妻でいて良い権利を得てしまいました。だから自力で成長しないといけないんです」
「それは、あの人を拒まないと出来ないこと?」
何でだろう、私よりもあおいさんの方が泣きそうだった。
「甘やかされちゃいますから」
ぎゅっと、細く白い指先が縋りつくように私のコートの袖を握ってくる。
「やってみないと分からないでしょ」
そうだけど、今から遼くんのために出来ることなんてあるんだろうか。
……あった、とりあえず周りからの注目を逸らさせることだ。
私はともかく、あおいさんは紅薔薇を思わせる美人だから何もしなくても目立つ。今は、傍目には女同士の修羅場に見えるんだろうな。
私への非難めいた視線が半分と、興味津々って感じの視線が半分。
いくら名前を伏せて声を小さくしていても、大騒ぎになったら意味がないよね。
つり革を持っていない方の手を上から置いて、あおいさんのそれを包み込んだ。
「あの、この話って着いてからじゃ出来ないんでしょうか。ちょっと人目が」
「無理よ。私がどれだけ考えて場所を設定したと思ってるの」
泣いた烏が、じゃないけれど。さっきまでの頼りなげな嘘だったかのよう。
私の手を振り払ったあおいさんは爛々と目を輝かせ、女王様然とした態度で私を見下した。……しゅんとしてるより断然似合う。
「一、無条件に長い時間拘束できる。二、選択次第でそこそこ楽しめる。三、終わった後、夕飯を一緒にしても不自然じゃないし会話にも困らない。そして必ず、あの人が羨ましがる。私の復讐は完璧だわ」
文脈からすると多分、あおいさんの復讐は遼くんに向けてだ。
……必ず羨ましがるって、どうして?
「どこに行くんですか」
「映画。だって考えてみなさいよ、私の仕事が早く終わったってことは、あの人も同じなの。私を選ばない男なんて、せいぜい晴乃さんとの時間を取られて悔しがれば良いのよ」
帰りたいって要求は、結局受け入れてもらえなかった。
帰ってすぐお風呂には入っていたけれど、念のためもう一度シャワーを浴びて隅々まで体を洗って、痕跡を消して。
まるで遠足前の子供みたいに、明日の着替えと、準備を終えたバッグをリビングに出した。
自室に鍵をかけるのは怖じけた自分が戻ってこれないように。
出来るだけ足音を消して歩き、誰もいないのを見計らって廊下の窓から鍵を落とした。深遠の闇に塗りつぶされ、落ちた先は見えない。
準備終了、後は寝るだけ。
ところがこの『寝る』のが曲者で、覚悟を決めるのに時間がかかった。五分くらいドアの前で突っ立ってたんじゃないかな。
部屋の中にいる相手は、こっちがドアをノックでもしない限り気付かない。あのクリスマスの夜みたいに。
ドアを開けて欲しいなら、何らかのアクションを起こすしかないんだ。
大きく深呼吸する。グーの形に握った手だけを前に出し、恥ずかしさに顔を背けて。
こん、と小さくノックした。気付かないなら他の、どこか客間に逃げて泊めてもらおうとさえ思った。
実際、ホッとして行動に移そうとした直前にドアが開くんだから心臓に悪いよ。
人一人分に開いたドアからは明るい光が漏れ出てくる。私は眩しさに目を細め、それからドアの向こうにいる遼くんへと笑いかけた。
「一緒に寝ても、良い?」
――鈍く軋む音を立てて、扉が閉まった。
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