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short novel
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胸の高鳴りが止まない
初単独LIVE メジャーデビューして10年越しの念願の舞台
彼らの色んな気持ちを側で見ていたから
3時間半の熱いステージが幕を下ろし観客も冷めぬ興奮と共に出口に向かっていた

私はありがたいことに関係者席に案内されていたため人混みに揉まれることなくその場で座っていた

ほとんどの観客がいなくなった頃走って来る足音が近づいてきた と思ったら勢いよく後ろの扉が開く


name!!来てくれたんだね。なんで連絡くれなかったんだよ

哲也ーすごい良かったよ!カッコよかった。本当に本当におめでとう。急に時間できてさ

時間出来たからってすぐこれる距離じゃないだろう

思わず涙が溢れる 気付いた哲也が近づいてくる
するとドアが開きゾロゾロと他のメンバーが入って来た。その瞬間離れる私たち。

私は哲也が好きでずっと片思い。思いを伝えることが出来ない私。近いようで遠い存在。私が哲也のマネージャーを少しさせてもらっていた時凄く凄く優しくていつも私に気を遣ってくれていた。本当は私がタレントを気を遣ってあげなきゃいけないのにね。

久しぶりだね!nameが来るって聞いてビックリだったよ。元気だった?NY暮らしは慣れた?

啓司の変わらぬ笑顔に癒されながら他の皆にも目を向ける

うん。だいぶ慣れたよ。皆に会えなくなって寂しいけどね 昨日帰国した時社長にも会って来たよ。

急な転勤を命じられEXPGのNY校のマネジメントに携わることになった
本当にバタバタでお別れもまともに出来ないまま飛行機に飛び乗ったあの日。飛行機の中で想いを伝えなかった後悔で泣いた 隣に座る社長はただ静かに目を閉じていた
NYに着いてからの日々は目まぐるしかった。あっという間に2年の月日が流れた。会社のパソコンに一通のメール 社長からだった

10月中に日本に帰国お願いします。

なんだ?と思い社長宛に電話する

社長お疲れ様です。なんかあったんですか?

あっ、うん ははは まぁ10月待ってるよ。あっSECONDの単独LIVE決まったぞ。じゃあな

そう言って電話を切られる 私は急いで携帯を手に取りサイトを見た そして夢なんじゃないかと何回も何回も確認した



成田空港に到着したのは夜だったが社長の元へとタクシーを走らせる
帰ってきたことを彼に知らせるべきか
いやLIVE前日にいらぬ情報は邪魔だろう
そう思い連絡はしなかった
2年ぶりに会社に到着し社長室へと足を運ぶ

おーnameおかえり。これ新幹線の切符。あとチケットな。

えっ?社長!これどういうことですか?チケット?

あいつらの念願のステージ見てやってよ。2年前に急に転勤お願いして頑張ったお礼。

そう笑いながらパソコンに目を向け、ほらはやく寝ないと寝坊するぞと言われ私は社長室を後にした。

次の日新幹線に乗り込み会場前にはたくさんの観客。それを横目に関係者席にいち早く座って今か今かと待ち焦がれていた。
これが終わったら連絡しよう。
もう2年も経ったから私の恋心もなくなっているだろう
そう思っていたのに始まった瞬間大好きな人が目の前にいて、なくなるどころか溢れ出すばかり

哲也…

終わった後に目の前にいる彼。たまらなく愛しかった。

ごめん。みんな悪いんだけどさnameと2人にさせてくれないかな

そう哲也がいうと、何かを察知したかのようにあっそういえばさーと言いながら部屋から出て行った。

また2人の空間 急に緊張で体が強張る

name。会いたかった。ずっと伝えたかった 俺nameがずっと好きなんだ。ヒロさんから開演直前にnameが来てるってきいて本当嬉しかった。2年前に伝えれなかったのずっと後悔してたんだ。ずっとずっと好きだ

思わぬ告白に涙が溢れて止まらない。

私も…私も…

言葉少なく、でも精一杯の言葉だった
だけど哲也には伝わったのかな 抱きしめられ哲也の温もりに包まれた


それからしばらくしてから楽屋に哲也と向かうと社長と雑談するメンバー

name!おかえり

みんなの笑顔に自然と笑顔になる

name

社長が近づいてくる

転勤ご苦労様でした。日本に戻って本社勤務お願いできるかな?荷物あるだろうから一旦NY戻って片付き次第帰国で。

嬉しさと驚きでまた涙が溢れる
なんて強引なんだろうとは思うけどこれが社長なりのやり方なんだろう そして優しさなんだろう

早く戻ってこいよ待ってるよ

隣にいる愛しい彼の優しい言葉を信じまた新しい生活に期待を膨らませる

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あきゅろす。
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