Iris Laevigata
2
「……ねぇ、そこで何してるの?」
「!」
季節は水無月。ようやく梅雨が始まりだした頃、少年は今日も何時ものように 屋上へと行き、フェンスに頭をのせて外を眺めていると、突如、後ろから女の声が聞こえた。
「え……み、宮橋!?」
あまりに似ているのだ。宮橋は黒髪だが、彼女は薄紫色の髪をしている。それに、声だって違う。
それでも似ているのだ。醸し出す雰囲気と後は背丈だろうか?それが宮橋をどうしても連想させてしまう。
……いや、そんな訳がないのだ。
「だってアイツは──」
『イマモナオ ネムッタママナノダカラ』
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