Iris Laevigata
2
「……ねぇ、そこで何してるの?」
「 ! 」
「生きてるよね?…って、滝谷君!?」
突如、俺の目の前に現れたのは、赤い傘を挿した 一見、何処にでもいる 真面目で地味そうなその女は、そう言うと此方へと走って近付いて来る。
──それがアイツ、宮橋 沙紀だったんだ。
第一印象は、
『誰だコイツ。なんで俺の名前知ってんだ?』それに、
「その怪我どうしたの!?血が出てるし。 び、病院!? うん、病院へ行こう!」
『ちっ、面倒くせぇ!』
俺が睨み上げてもビビるどころか、真面目っぽそうな身なりしてるくせに 煩いし、しつこい。
いきなり、俺の腕を掴み、引っ張り合げようとしてきやがった。
──言わずとも、俺はその女、宮橋の腕を思いっきり振り払った。【俺なんかに近寄るな】と【真面目ちゃんはさっさと お家にでも帰りやがれ】という意味も込めて、思いっきりな。
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