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近接戦闘型魔術師(仮)
リシエイトさんはただの風景ですか

「……はぁ」

 俺は西の森に行こう、と意気込んだところで、その前にある問題を解決しておこうと思いついた
 ズバリ、まだ使ったことのない魔術の行使である

 ……結果は

「召還魔法も並み以下。そして錬金術と幻術系は良くも悪くもない一般レベル、か」

 またなんというアンバランスな……

 まぁ他の魔術が全て優秀なわけだから、本当はそんなに気にしなくてもいいんだけどな
 むしろ、その程度のデメリットでここまでのメリットかよ、と殴打されかねない

「召還魔法は希少魔術だから、学校で教えてもらうには成績上位か金を払うとかしないといけなそうだな……」

 しかたない。召還魔法は個人で地道に鍛えていこう

「ま、錬金術が並み以下じゃなくてよかった……」

 前にも言ったが、EDOは魔術系が充実していたVRMMOである
 その中で、かなり自由度が高く個性的な魔術に錬金術がある

 あれ、魔力かなり使う代わり、使用者によってはありえないほど強くなるんだよな
 PvPでは長引かせるとこっちが不利だから、毎度5秒以内にしとめさせてもらったぜ(笑)

「幻術は……うん。はっきり言ってどうでもいいです、はい」

 さて、と。そろそろ西の森に出発しようかね


 ◆ ◆ ◆ ◆


「ファイアーボール(近接型)!」

 いつものようにゴブリンの急所である心臓部に、改造した近接型ファイアーボールをぶち込む
 さて、と。回すか

「キィアッGAGAGAGAGA!?」

 ちなみに回さなくても魔術は発動できるのだが、貫通スキル【MAX】な俺にしては、できるだけファイアーボールを相手の体に食い込ませたいわけですよ、はい

 そのまま炎の球をゴブリンごと吹き飛ばし、指を宙に構えた
 そして

【パチンッ(指を弾く音)♪】
【ドッゴァアアアアア(圧縮された炎の球が暴発した音)!!】

 ……しまった。火力をミスった……。ゴブリン焦げとる

 ちなみに指を弾くのにも意味はない。でもこういうの憧れるじゃないですか、はい

「どうですか、ジイ様♪」
「さすがです、お嬢様。まだ私、目を疑っております」

 よしよし。それじゃ次行こうか
 索敵開始、っと

「ん」

 真上にいたZE……
 鳥科の魔物リシエイト。まぁ現実で言うところのカラスみたいなやつだ

 こいつ、実はこっちから攻撃しない限りは襲ってこない
 というわけで先手必勝。近くに落ちてた石を拾い

「……!」

 雷化させた魔力を纏わせる
 そのまま振りかぶって

 必中スキル、急所スキル、貫通スキル、投擲スキル、それぞれ全開

「っ!」

 全力で投げてやる

 必中スキルから逃れられるはずもなく急所へ命中し、急所スキルにより急所に当たった時のダメージ大、貫通スキルによりさらに追加ダメージを与え、投擲スキルにより威力を落とすことなく完璧なフォームで投げることもできた

 一撃必殺、一撃必中!
 リシエイトさんはせっかく出てきたのに一撃ノックダウン
 ごめんねー、超少ない出番を速攻で終わらせちゃって

「次、行きましょう!」

 さて、今日はギリギリまで狩り続けるとしますか

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