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Loss of Memory The Raincarmation
「イルズさんはどこまでバカなんでしょうか」
「HQ、HQ。こちらスネーク。ギルド『蒼海のアメジスト』への侵入を開始する」
『了解。調査を開始せよ(声を低く)』

 ダンボールの中に入り込み、開かれたギルドの扉(さっき自分で開いた)の中へとゆっくり進んでいく

 これさえ成功すれば、世界が救われる!
 そうすれば……俺は……!

【スッ……(ダンボールが取られた音)】
「…………パトラッシュ、僕はもう疲れたよ……」
「なにしてるんですかイルズさん。バカなことやってないで早く立ってください」

 そんなに罵倒するな。興奮するじゃないか!

 ……違う違う。そうじゃないそうじゃない

「やぁ☆ 我が嫁エイナ」
「誰が嫁ですか」
「そんな……あの熱くたぎる夜は嘘だったというのか……!」
「記憶にありませんね」
「そうツンツンしなさんな。デレはまだ?」
「しませんよ」

 今目の前にいるこの美女様は、エイナことギルドの受付嬢だ

 まぁ……うん……シスコンでロリコンな俺にしては、あまり好みな体型ではありませんね。残念ながら

「んじゃいつものアレで」
「未開の地の開拓ですね。承りました。ではこれを」

 と、渡されたのは白紙の地図

「おぉ? ナニキタコレ? 新ステージですかっ!」
「そうですね。いつもあなたが開拓していた東の森。そこの湖の奥にダンジョンが見つかった、とのことです」
「マジですか」
「マジです」

 うっは。楽しみだねこりゃ

「りょーかいりょーかい。そんじゃ頑張ってきますぜ〜」


 ◆ ◆ ◆ ◆

 Side 〜エイナ〜


「……おっとマズいですね。ランクを言うのを忘れてました」

 そこで書類の方へ目を通してみれば……

「…………イルズさんの捜索依頼、出さなくてはいけませんね」



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