Loss of Memory The Raincarmation
「なにをやっているんでしょうか、この兄は」
「好きだ。付き合ってくれ」
俺は、長年恋い焦がれてきた相手にそう言った
精一杯誠意を見せて、そりゃこれまでにないくらい一生懸命に
それに相手は……
「……嫌、です」
……俺はあまりのショックに、地面に膝をついてしまう
「ど、どうして……」
理由を問わずにいられない
「だって……」
どうやら、答えてくれるようだ
「私たち、兄妹じゃないですか……!」
……あは☆
「いいじゃないかー。血のつながりなんて些細なことだぞ」
「第一……誠意を見せるとか言っておきながらどうして自分の家の庭で告白なんてするんですか……?」
「いや、どうせいつでもどこでも行けるんだから場所なんてどこでもいいや、と……」
「……兄さんは酷く理解不能です」
「もうこの際、家の中でも良かったような……」
「…………とにかく、付き合えませんよ」
「なん……だと……!?」
「無駄に大げさなリアクションはしなくていいです」
「まぁそうカンカン言いなさんな、我が妹よ」
「誰のせいで……ってちょ!? 兄さん! なに服脱がそうとしてるんですか!?」
「既成事実作っちゃおうかな〜、と」
「駄目です!」
「いいじゃな【ヒュッ、ズガンッ!】ちょっ!? さすがにそれ食らったら死ぬ!? 死ぬって!」
大規模な切断系風魔法を向けられれば土下座しなくちゃいけないのは当たり前である。というか、こう、罵られるのもナカナカ良いもんですね、はい
「……兄さん…………」
どうやらいま笑顔の俺を見たようだ。はて、なにか呆れるようなことをしてしまっただろうか……? なにも思いつかない
「……もういいです。お昼ご飯にしましょう。早めに戻ってきてくださいね」
「放置プレイですか。それもナカナカ……」
はて、今俺はなんて言っていたのだろうか……なんか心にもないことを言ってしまったような
「……」
とにかく!
…………妹にフラれた
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