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『糸の切れたマリオネット』
想いと温もり。

* * * * * *



「じゃあ、俺先に寝るからね」

脱衣所からイオの返事を耳にし、のそのそと俺はベッドに潜り込んだ。
今日は講義の後バイトで、家に着いたのは深夜。ヘトヘトになりながらも帰宅後はイオの手料理に癒され、促されるままシャワーを浴び一足先に就寝となった。今日は後片付けやら何やらイオに任せきりにしてしまったから、明日はきちんとお礼を言って何かしよう。
目を閉じながらいろいろと考えを巡らせていたが、思考にも白い靄がかかり、本格的に眠くなってきた。お言葉に甘えて、今日は先に寝てしまおうか。



(………?)

ふいに物足りなさを感じ、なんだろうかと首を捻る。

何かが足りない。
何かが……―――――




(……、………)




気付いた瞬間、恥ずかしさで脳が一瞬沸騰したように感じた。
物足りないとか…俺、どうかしてる…。

なんだかやりきれなくなって、でも物足りなさは感じて、仕方なく体を小さく丸めた。
一つため息をつく。

そうして再び、眠りの淵をさ迷った。






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