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『糸の切れたマリオネット』
碧と深海。


* * * * *


翌朝はすがすがしい快晴。
晴れたことには嬉しい限りだが、この季節の日差しは若干堪える。
俺も帽子を被ってくればよかったかも。額ににじむ汗を手のこうで拭った。対してイオは汗一つかかず涼しい顔をしている。人間とアンドロイドの違いをありありと見せられた。

「真紀、やっぱりこれ返そうか?」

イオは心配そうに俺の顔を覗き込む。自分が被っていたキャップを外して手渡そうとした。それは有り難いんだけれど…

「だめだよ、一応それ変装なんだから」

イオの髪色は日本では目立ち過ぎる。顔立ちが欧風だから外国人に見られるだけだけど、いかんせん顔が整っているものだから嫌でも周りの視線を集めてしまう。
俺が手で制すると、イオはキャップを目深に被り直した。

「それに、もうすぐ着くし。ほら、あれ」






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