『糸の切れたマリオネット』 期待と盲目。 「今度、一緒にどこか行かない?」 週が終わろうとしている金曜日の夜。突然の俺からの提案に、イオは瞠目した。 だって、出掛けるということは… 「外に出てもいいの?」 その言葉に俺はちょっと迷ったけれど、外という単語に目を輝かせているイオを見て吹っ切れた。 イオと出会って三度目の週末を迎えようとしている。その間、相手方が何か仕掛けてくる素振りはなかったし、ここまでくると場所が割れている可能性も低い。俺達の生活は平穏そのものだった。 最近では、短時間ではあるがイオもこのアパートの敷地から出ることが増えてきた。 だから、俺はそろそろ大丈夫かなと考えてしまったのだけれど。 「勿論、イオがいいならの話だけどね」 外に出れば今までよりは確実に危険は高まる。そのリスクを負ってまで強要させたくはない。 「正直…、外に出てみたい…かな。真紀と、いろいろなものを見て、たくさんのことを知りたい」 [次へ#] [戻る] |