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『糸の切れたマリオネット』
主人と従者。


「…さっきもちょっと気になったんだけど、その『主人』とかって何?」


服を渡した時にも、確かそんなことを言っていた。アンドロイドは主人に尽くすのがどうとか…。

「そうだね………真紀は、俺達のようなアンドロイドが何の為に造られるんだと思う?」

「何の為…?」

創り出されるものには、必ず何らかの理由があるわけで。
アンドロイドが創り出される…理由……。



「人間…?」


「そう」

正確したことを褒めるように、イオは柔らかに笑んだ。

「人間の役に立つ為。労働力として人の代わりをすることもできるし、時には人を支えることだってできる。作業の円滑性、正確性…でも、それだけじゃない。人の欲を満たすために俺達は造られる。何の為に外見を人に似せるのかはそこにあるんだ。働き手が欲しいだけなら、ロボットで十分だろう?」

人間にしか見えない…見目麗しい容姿、細密に表現された感情の起伏、人工知能、主人と…

「従者…」

「そうだね。それも一つの欲望の形」


俺の冷えた手先を温めるように、イオは自分のそれで包み込む。
その体温に、俺は無意識の内に縋った。





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あきゅろす。
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