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『糸の切れたマリオネット』



買った物の片付けが一通り落ち着くと、イオは夕食にしようと言った。

今日も用意をしておいてくれたようで、テーブルには美味しそうなパスタやサラダ、スープが並べられていく。

「デザートにプリンもあるよ」

「やった。いただきまーす」

幸せそうに頬張る俺を、イオは微笑を浮かべながら見つめている。
朝・昼・晩とイオが料理を作ってくれるようになってからというもの、今日のご飯は何だろうかと食事の時間が毎回楽しみとなっていた。



数日間イオと暮らしてみて、大分この共同生活にも慣れてきた。まあ、相変わらず謎は多いけれど。不思議なことに、イオの存在を異質なものとは感じず、彼はさりげなく、まるで空気のように俺の生活に溶け込んだ。それがとても不思議な感覚で、でもなんだか心地よい。ちょっとした会話だって、穏やかな気持ちになる。

うん。イオは不思議だ。



デザートに出してくれたホイップクリームがのっているプリンに手をつけず、俺はイオを盗み見る。
なんだろう?マイナスイオンかなんかが出てるのか?それとも癒しオーラとか…。




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