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『糸の切れたマリオネット』
君とこれから。



*****


週初めの月曜日。
今日は講義が午前中で終わりだったが、ばたばたしていたら帰宅が夕方になってしまった。

視認できる距離に、俺が住むアパート。
部屋の窓からは明かりが見え、それは彼の存在を示している。

「ただいまー」

鍵を開けることなく扉を開閉し、中にいるだろう相手に向かって己の帰宅を告げた。
すると、予想通り返事がかえってくる。

「おかえり」

キッチンから、エプロンを身につけたイオがひょっこりと顔を出す。
笑顔で迎えてくれる人がいるっていいなぁ、なんてしみじみ感じた。

部屋に入るなりたくさんの紙袋をドサッと置く。そんな俺に、イオは不思議そうな顔をした。

「すごい荷物だね。それ何?」

「えーっとね…。ちょっとイオ、こっち来て」

「ん?」

そう言うだけで手招きする俺の元へ、首を傾げながらもイオは来てくれる。

ガサゴソと紙袋から中の物を取り出すと、俺はそれをイオの体にあてがった。





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