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『糸の切れたマリオネット』



「あ………」


イオの困った顔を見て、昨夜のことを思い出す。
……またやってしまった。


「ごめん…イオ。俺また勝手に…」

昨夜もイオが抵抗したにもかかわらず無理強いしてしまったというのに、俺は再びそれを繰り返そうとしている。
ただでさえ国家機密級なのだから、口外できないことも多いのだろう。
つくづく俺は馬鹿だ。

「違うんだ、真紀…、そんな顔しないで」

「でも、」

「…この体を見て、嫌われたら嫌だなって思っていたんだ」

「…?」

そう言うとイオはシャツのボタンを一つずつ外していく。
シャツの隙間からは、顔や手と違(たが)わぬ色素の薄い肌色が覗いていた。


「それ……」


全部はずし終わると、ぱさりという音と共に纏っていたシャツが床へ落ちる。
しかし俺の目はシャツではなく、イオの体にくぎづけになった。






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