『糸の切れたマリオネット』
6
テーブルには綺麗に並べられた皿の数々。でもそれはどれも一人分で…。
そもそもアンドロイドの主食はなんだろう。俺達のように食事をするのだろうか?それともアニメやマンガのように燃料の液体とかか?充電式で電気かもしれない。
「俺は機械だから、ご飯はいらないんだ。ただ動力源のエネルギーが要る。少量の電力があれば、それは睡眠時に体内で生成できるようになってる。半永久的に持続する生命維持装置システムが組み込まれているんだ。定期的なメンテナンスは必要だけどね。まあ、人間みたいに食物を食べることもできるけど、そこから栄養摂取とかはできない。所詮はまね事」
…なんだか難しいことをたくさん言われたけれど、半分くらいしか理解できない。とりあえずご飯がなくても大丈夫だということはわかった。
突っ立ったままだった俺を、イオが食卓へと促す。
料理を前にして座ると、旨そうな匂いに喉が鳴った。
「いただきます」
言うや否や卵焼きに箸をのばす。口に入れると、ふわふわの食感と絶妙な甘さで、思わず顔が緩んでしまった。
そんな俺を、イオは微笑しながら見ている。
「うまーいっ」
「そう、よかった口に合って」
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