[携帯モード] [URL送信]

『糸の切れたマリオネット』




* * * * *


暫く凝視していると、イオは苦笑しつつ振り向いた。

「そんなに見られると、ちょっと恥ずかしいんだけど」

「え。あっ、ごめん!」

気づかれてたのかー…!
絶対気づいていないと思っていたから、遠慮なくじろじろ見てしまった…。
イオって実は後ろにも目がついていたりするんじゃないのか。

俺がどう言い繕うか悩んでいると、イオは優しくクスリと笑う。

「ご飯できたから、食べようか」









あまり大きいとは言えないテーブルの上には、朝食が並べられていた。
ご飯に味噌汁、卵焼き、焼き魚、和え物にお浸し。まさに日本の朝ご飯といった数々に俺は感動した。
寝起きでも食べられるような胃に優しいあっさり系だけど、栄養バランスも申し分ない。こんなにまともなご飯、久しぶりだ。

「悪いとは思ったんだけど、冷蔵庫の中身を拝借させてもらった…まずかったかな」

「ううん、そんなことないっ!敢えて、こんな美味しそうなご飯作ってもらえてすごい嬉しいし!…でも、なんで一人分?」





[*前へ][次へ#]

5/30ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!