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『糸の切れたマリオネット』


とりあえず、怪我が治ることにホッと息をつく。

「でも、一応手出して」

俺が引っ込めた手を再び差し出すと、今度はすんなりと男も委ねた。

外で触れた時にも感じたが、微妙に人の肌の質感とは違う気がする。男の体温が低いせいかとも思ったが…あの時微かに感じた違和感はこのせいだったのか。

水を染み込ませた脱脂綿で、傷口付近に付着している血(?)を拭う。見た目はかなり悍ましかったが、拭き取ってしまえばそうでもない。
最後に傷口を隠す為、包帯を宛がった。いくらすぐ治るとはいえ、このままではなんだか気になる。傷口が隠れる程度に包帯を巻き付ける。

「ありがとう」

巻き終わると、男が綺麗な笑みを浮かべ礼を述べた。思わずドキリとする。いくら同性とはいえ…美形が微笑むと心臓に悪い。




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あきゅろす。
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