『糸の切れたマリオネット』
2
アンドロイド。
よくSF映画などで耳にする、あの人間そっくりのロボットのことだろうか。
あまりに現実離れした単語に眩暈がした。こんな話題、すぐにでも笑って嘘だよと言ってくれそうものなのだが。
しかし、男が冗談を言っているとは到底思えなかった。
「まさか…冗談………」
「見たでしょう、この傷口を」
「…………」
その言葉に、俺は黙るしかなかった。
「……混乱するのも仕方ない。俺みたいな存在は、現代では異質だ……しかし、公にされていないだけで、裏でこういうものが作り出されているのも事実だ」
頭はひどく混乱していた。
しかし、男の紡ぐ言葉は存外すんなりと入ってきた。
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