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ドルチェ × ドルチ
番外 仲間はずれ/+8/リクエスト品
ころころ、ころり。
そんな音がしそうな転がり方をしているのは桜弥で、修行から帰って来た恭雅に構って貰って嬉しそうに転がって。

「おにーちゃ!」

とことこと歩く恭雅の後ろをついて回るようにころころと転がる桜弥。
畳の上に敷いたふかふかの布団の上に転がり込むとぱたむ、と俯せになって小さな両手をぱたぱたと元気よく動かして見せる。

「あれ? さくや、ころんしてごらん?」
「うーうー!! にちゃ、うー!」

上手く転がれなくてぱたぱたと一生懸命に手を動かして助けを求める桜弥に、恭雅は慌てて妹を布団からぺいっと剥がすように抱き起こすけれど、体格差が余りないせいで抱き起こした勢いでぺたんと座り込んでしまった。

「にちゃっ! あーとっ!」
「うん。むちゃしちゃ、だめだよ」

にこにこと笑顔を浮かべる桜弥のまぁるい頭を撫でながら、恭雅も小さく笑う。
そんな幼い兄妹を微笑ましく見つめていた恭弥が2人の近くに歩み寄ってちょこんと腰を下ろした。
嬉しそうににこにこと笑う桜弥のまぁるい頭と、恭雅の猫っ毛でふんわりとした頭を撫でれば、2人とも嬉しそうに大きな瞳を細める。

「ふふ、撫でられるのが好きなのは、2人とも僕譲りだね」

きゅぅっと肩を竦めて撫でられるままにしている2人の姿は、恭弥のそれと重なるから、やっぱり2人は血の繋がった子供なんだなぁ、なんて思う。

「かあさんのて、あったかくて、きもちいいよ」
「まぁま、しゅき!」

小さい手でぎゅっと恭弥の手を掴む桜弥の姿に、思わずきゅんとしてしまう。
元々可愛いモノは好きな恭弥であるし、小さな(それも自分の)子供が可愛く見えないわけがない!

「…ッあぁもう可愛いなぁ2人ともッ!」
「きゃー、まぁまー」

右手に恭雅、左手に桜弥をぎゅうぎゅうと抱き締めてじゃれる。
頬に当たる子供独特の綿飴みたいにふわふわの髪も、飴玉みたいなあまぁい香りも、マシュマロみたいにふにふにしたほっぺたも、全部全部可愛くて仕方ない。

「桜弥もだけど、恭雅もまだふにふにしてるっ。もうっかぁわいいなぁっ」
「うー…ぼく、かわいい、じゃないもんっ」
「ふにふにー。ふにーふにー」

きゃぁきゃぁとじゃれる3人と少し離れた所、モダン造りのソファで寂しそうに緑茶を飲むのは恭雅達の父親で、未だに可愛いを連呼して子供を抱きしめる恭弥の旦那、の骸。
少し前までは恭弥が隣にいたのだけれど、子供達の所へ行ってしまってからはすっかりこんな調子でほったらかしにされている。

(子供達とじゃれてる恭弥も大変可愛らしいのですがね、けど、なんで僕放置されてるんです…?)

楽しそうにじゃれる3人と3mも離れていないだろうに、温度差は明確。

(…放置プレイとは…今晩はお仕置きですよ恭弥…!)

この温度差を作った張本人である可愛らしい妻に理不尽な八つ当たりを心に決めて、きっと3人が居る場所を見やったけれど、そこには誰もいなくて、

「とうさんも、いっしょ、しよ?」
「ぱぁぱもー! くゆのー!」

いつの間にか骸の元までとことこと歩み寄った子供達が、くいくいと骸の着流しの裾を引く。

「ふふ、骸、寂しかった? でも、普段は骸が子供達にばっかり構ってるんだから、偶には僕の身にもなってみてよね…?」

くすくすと悪戯な笑みを零す恭弥に、骸も思わず笑ってしまう。

「それはそれは。これからはちゃんと3人平等に構いますよ。ほら、恭雅、桜弥、おでなさい。…恭弥も」
「「はぁいっ」」

風紀財団の奥の奥、いつまで経っても仲良しの4人。
今日からは、もっともっと仲良しです。

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藜くんリク:ドルチェ × ドルチ で恭弥が子供達といちゃいちゃして1人凹む骸

宜しかったらお納め下さいなっ

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あきゅろす。
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