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私の脳内は相当平和だったらしい










お父様は、私が他人と接触するのを良く思っていなかった。
独り、でいる日が多かった私にとって、あの二人は暖かかった。

あぁ、こんなヒトもいるんだ、

心の奥底から、私を、今日知り合ったばかりの私を信頼してくれる人に会うのは、初めてだった。



「あの、果物ナイフ借りていいですか?」


「あ、ハイハイ お友達のお見舞い?」


「はい、そうなんです」


「相模ちゃんのお友達が入院しているのは知らなかったわね、なんて名前?」


「…源田、幸次郎くんと、佐久間次郎くんです」


「ああ、あの二人ね」



看護婦さんについて行って、共同のキッチンのようなところに案内される。

トモダチ…くすぐったい。
そっか、あの二人なら、トモダチになってくれるよね



「とっても重症だったの、佐久間君にいたってはいつも不機嫌で、なかなか心を開いてくれなくて」



困ってるのよ、と続ける、看護婦さんは
丁寧に私に果物ナイフを手渡してくれた。



「不機嫌?」


「あら、お友達にはやっぱり、心を開いてるのね…もう少しすれば大丈夫かしらね…」



苦笑した看護婦さんの言葉が、離れなかった。


私に向けてくれた、優しそうな、笑み。
わあ、カッコいいね、なんて言ったら照れてた佐久間。なんで私には心をすぐに開いてくれたのかな。



「…あき、お?」



…ありがとう、って
言ってみよう、そしたらまた佐久間は、褐色の肌を染めて、見るなって、私の左目をその手で、ふさぐのかな。










   (これから私は、壊れていく姿を見なくてはいけないのに、)











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あきゅろす。
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