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赤に赤を上塗りして










フラフラと足取りも重く
綺麗な廊下の壁を私が伝うから、鮮血に染まる綺麗な壁。

…涙じゃない、これは
私に涙なんて、ない



「…藍、…ッお前その手…!!」


「……、きどう…」



古風な木の香りの漂う空間にイキナリ現れた、赤くヒラヒラと舞うマント。

外は、雨だった。



「…、風丸はどうした?」


「……、お別れ、した」


「…?」



ゴーグルの向こうの瞳が見開かれて
私の受け答えに脳をフル回転させる鬼道


フ、と気付く私の金色の瞳。
また、ゴーグルの奥の瞳が見開かれた。



「お前…その目…」


「…ッ来ないで!!!」


「ッッ」


「……、キドウ、教えてあげるよ」



私は今
今までの私では予想がつかないくらいに
怪しく、微笑んだだろう


雨が私の小さな声を掻き消す。

風丸も追いかけてくるかもしれない、でも
いまここであえて立ち止まるのは



「…私のお父様は、私を使って実験をしている」


「…なに、を……」


「……この瞳は、実験の成果。」


「……まさか…もしかして…!!」




もう二度と振り向かないように





「…私の父は、帝国学園の総帥


影山零治だよ」










   私のほうが、汚い











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あきゅろす。
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