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君に贈る勿忘草









私の使命は
雷門中学サッカー部の足止め
いずれは闘わなければならない相手、敵だ
テキ…敵なのに、敵なのに



「…消えてしまいたい」


「…藍?」


「どうせなら、生まれ変わってまた、出会いたい…」


「……なに、言い出すんだ…?」


「…私は君とは、違うの…こんな明るいところ、私の居場所じゃない」



張り詰めてキリキリとした空気
木霊する、私の愛しい存在
狂った笑い声
金色の瞳に映るあの空間には、悲しみと狂気と、憎しみと、歪にゆがんだ愛


風丸の腕の中は、温かすぎる
ギリ、と締め付けられる体、緩むことはなくむしろ、だんだん力が強くなってきていて、息が苦しい



「…かぜまる、苦しい…」


「……お前は、雷門イレブンの、仲間だろ?」


「……、ちが、う」


「…違う?」


「……私は、君たちの、敵…」



自分に言い聞かせるように、ゆっくりと
頬を擦れる風丸の空色の髪を握り締めた。

柔らかくて、逆に自分の爪が手のひらに食い込んで、血がポタリ、と落ちて、空色の髪を濡らす。



「……離さない、」


「…離して、お願い…」


「お前はッ良いのかそれで…ッ」



泣いて、る

風丸が



「…駄目、だよね…」


「…ら」


「だから」




思いっきり
今出せる精一杯の力で、風丸を突き放す




「…ッら、ん」


「…ホラ、やっぱり」



そんな綺麗な涙を流せるのは、私と違う証拠



「……、サヨナラ」



そんな気持ちにならないで
私が、悪い




   君には私は暗すぎる、











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あきゅろす。
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