「…藍、」
「!! …ッ」
「おかしいって言ったな…俺は、少なくとも俺は、お前の目の色が左右違うとしても、おかしいとは思わない」
「…かぜま、」
「だから、俺のこと、見てくれないか…?」
「…、」
ゆっくり、下に這わせていた視線を上げてゆく。
脚、腰、腹、首、ゆっくりと。
見つめた瞳はまっすぐ私を見つめていて、少し心臓が高鳴る。綺麗な、赤みがかったブラウンの瞳が、私の両目を見つめていた。
「…ッかぜま、!」
「…?」
「ぁ…、やめて、そんなこと…」
「…藍?」
「…そんなこと、思わないで…ッ」
「…ッ、ら、ん?」
俺がお前をおかしいと思うはずなんかない、だって俺はお前を…
「…ッ私は、恋愛ごっこするためにココに来たんじゃないのっだから…っ」
やめてよ、これ以上好きにならせないで、
風丸の瞳が見開かれて、揺れている。
私の言葉が信じられない、って感情が、突き刺さる。
「…藍、」
「ッごめ、」
そう言って思いっきり目を瞑った瞬間、
「…かぜま、」
「…ッごめ、」
腕の中にいた。
「ごめ、んっ俺…自分が思ってた以上に、自分のこと…わかってなかったみたいだ…」
…責任、とるから
そう言って彼は、唇を重ねてきた。
自分との戦い
(…彼は、勝てなかったみたい、)
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