ズクン、ズクンと、疼いていた。
「…ぁ、」
「ッいったぞ藍!!」
「!、くそッ」
眼帯の奥の私の瞳が、疼く。
何故だろう、こんなの、実験≠始めたばかりの頃のような、
間一髪ボールに反応して受けたは良いものの、敵のDF達が私のもとへダッシュしてくる。さっきのシュートでいくらか注視されたようだ。
「っ邪魔だ!!」
「ッッな、ぐわあ!!!」
「! コレは、!」
「…帝国学園の、サイクロン…!?」
巻き起こした風によって吹っ飛ぶDF達を突破し、再び相手陣地へと蹴りこんで行く。もう二人のDFのスライディングをかわしきり、デザームと1対1
「あんた、サッカーを何だと思ってるの!?」
「…さぁな」
「聞けデザームっサッカーは、サッカーは!!」
脚に集まる冷気を凝縮させ、深く、深く蹴りこむ。
「サッカーは、相手のココロを感じるものだ!!!」
わかれよ、何のためにサッカーしてるんだよ、お前らに、
「…お前らに、サッカーする資格なんて、ない!!」
「…強さが勝利、強さこそが勝利だ!!」
「…ッうあ…っ」
「!! 藍!?」
鬼道が私を呼ぶ声が聞こえた。
デザームから感じる、この輝きは、もしかして、明王…
瞳≠ェズクン、と脈を打って、熱が集まる。ポタリ、と地に落ちた赤い液体を見て、鬼道は私を自分の方へ向かせた。
「…!! 藍、右目、どうなってるんだ…!?」
「…さぁ、?」
ボタボタ、鬼道の手に落ちていく血の涙。
エイリア石に反応してる、確実に。
なんで今頃、こんな反応、もしかして瞳≠ェ
「…デザーム、私はッそんな強さならいらない!!!」
「…お前達は我らエイリア学園にとって大きな価値がある。残り2分20秒、存分に戦って貰おう」
「…くそッ」
「…ッ担架だ!!」
記憶が、途切れた。
目先の勝利に惑わされ
(幸次郎も佐久間も、助けたいのに、)
[*back][next#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!
|