「ぽっきーげーむ?」
「ね、楽しそうでしょ?」
「どこがだ!!」
「…それはもしや、このめちゃくちゃにささっているポッキーの数だけやるってことか?」
「ひーふーみー…6本!」
「あみだくじする必要ないよな…」
「よしじゃぁどこがいいか選んで?」
吹雪くんは私の意見を尊重する気はないらしい。
年頃の男女(by鬼道)が京都のお店でポッキーゲームを始めたのは、世界初の試みのような気がして、内心わくわくしている。
誰とキスするとか、まぁ、初めてでは、ないし…
「…わわわわわわ」
「ど、どうした藍!?」
「…いや、ちょっと思い出して照れただけ…」
「思い出し照れ…?」
「あ、ハイじゃぁ左からで風丸くんからね
アタリだったらもれなく藍ちゃんとポッキーゲームが出来るんだ」
「…これはなんというか…フクザツ」
「溶けちゃうから食っちゃうからな!」
「あ、私も食べる」
中学生らしくていいではないか、とか思う。
実際に現実はおかしい、なんで中学生が宇宙人と戦ってるんだって話しだし。
「はい、アタリ!」
「さっそくかよ…」
落ち込んでいるのか嬉しがってるのかわからない表情をした風丸。フイと顔を上げ、私を見つめた。
…うわ、目、今は逸らしたい。
「…お前、俺としてもいいのか?」
「うん、だって風丸だし、」
「ッッ」
「ハイ、」
ちょっと私はSっ気があるらしい、風丸が照れているのを見て、からかいたくなってくる。
「〜〜〜ッ、みんな見るなよ!!」
「あ、駄目だ、円堂くん席変わって、風丸くんの表情が前髪で見えない」
「写メるな!!!!」
「…諦めろ風丸、もう後戻りは出来ない…」
吹雪を止められなかった俺達の責任だ、と諦めモードに走っている染岡さんを見て固まった風丸はまた、私へと顔を向ける。
「…良いんだな、知らないぞ、俺」
「…そんなに大事じゃないと思うけど、」
苦笑して、風丸の目を見たら、凄まじい緊張が伝わってきて、こっちまで何故か恥ずかしくなった、今更。
「…ん、」
パクパク、無言で食べ進める私達を、他四人も無言で見守る。風丸の食べるスピードがとっても遅くて、なんだかもどかしくなって食べ進めるスピードを速めたら、風丸くんが逃げようとしたので、手をがしっと掴む。
「…んむ、」
吹雪くん、写メのシャッター音、今度からノーマルにしてね…
吹雪四郎の暴走
『ハイッチーズッ☆』
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