「おっ美味しい…ッ」
「お前…あそこまで食ってまだ食えるのか…」
「染岡君、女の子には別腹って胃袋があるんだよ」
やっぱり京の都だし、抹茶を食べることをしなくては、ということで、とっても大きな抹茶アイスパフェを、乗ってくれた円堂くんと頬張っているのだ。
「染岡くんも食べる? あーん」
「するか!!」
「ノリ悪いよ染岡君、吹雪くんハイ」
「あーん」
「やめろおおぉぉぉお」
円堂くんが私の向かい、円堂くんの隣に風丸、鬼道。
そして私の隣に染岡君、その隣に吹雪君が座っている。
外はほどよい暖かさで、暑がりな私にとってこの気温は天国だ。
…まぁ、時間稼ぎ≠チて作戦にもなってるから、良いかなと、この町の雰囲気に乗せられて自分をついつい甘やかしてしまう。
「円堂、そんなに食って腹壊さないか?」
「大丈夫!」
「なんで抹茶パフェにポッキーがささってるんだ…?」
「鬼道、コレはカップルパフェ≠ニ言うんだよ」
「…え゙、」
「これを完食した二人は永遠に結ばれる」
「え、そうなのか?」
「今気付いたよ」
みんなが席からガタンとずり落ちていく。
コレが一番大きかったから頼んだんだけど、まぁ所詮ジンクスだし、みんなで分け合ってるから、二人で完食ではないよね。
「鬼道、食べる?」
「…それは、藍、知っているか」
「ん?」
「…か、間接…」
「関節?」
「藍ちゃん、鬼道くんは間接キスになるのが気になるんだってさ」
「…あ、」
確かにそうだ。同じスプーンなわけだし。
だけどスプーンは二つしかないし、円堂くんは黙々と白玉を口に放り込んでいて、染岡くんと風丸に世話になっている。オカンだ、二人とも。
…というか、それが気になるなら、さっき私は吹雪くんと間接ちゅーをしたわけだ。
「私は気にしないけど…」
「年頃の娘が少しは気にしろ!!」
「だって相手は鬼道だし…」
「う…っ」
「あ、じゃぁこうしようよ」
吹雪くんがそう言うと同時に、何かぺらりと、白い紙を私に見せた。
「藍ちゃん紅一点なわけだし」
「…オイ、吹雪…もしかして、」
「あみだくじで、決めよっか」
雪原の王子は腹黒いらしい
(一番驚いていたのは鬼道だった)
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