私の名前を呼ぶ声が聞こえる
藍、ラン、らん
金色に輝く鏡の向こうの私のココロは、自らに狂気していた。
「藍、不動、挨拶しなさい
お前たちの学校の、クラスメイトだ」
「…相模、藍です…」
お父様は帝国学園の理事長で、闇の世界から追放されて、逃げ出して、来た。
私は何も言わない、言えない。
ひたり、ひたりと心地の良いお父様の声。
目の前に、じっと私を見つめる、ヘンな髪型をした猫目の彼は、私が挨拶しても返してくれない。
「…あんた、目、すごくねぇ?」
「! …、」
「きんいろ…猫みてぇだな」
「、あなたこそ」
「俺は猫なんかじゃねぇし、ボケ」
口の悪い彼は、不動明王と言うらしい。
私より背が高くて、私より大きいんじゃないかって言うくらいの目で、色素の白い彼の手はお父様に似ていた。
…あぁ、君も拾われたんだ
金と赤が入り混じる
その時は何も感じてなかったのに、
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