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私に気付いてくれますでしょうか











―――「うわぁぁぁあああぁあッス!!!」


「ッ壁山!?」


「こッ小暮くん!? …あ、貴方は…」



…京都に、来た。



……


「あんた、部外者だろ?」


「…?」


「オイッ下だ下!!!」


「あ、ごめん」



小さな男の子に話しかけられた。
京都の、漫遊寺中学にやってきた私に、話しかけてきた彼はこの学校の生徒のようで、丸くてちっちゃくて、可愛い。



「どうやって入ってきたんだよ!」


「あ…えっと…雷門中のサッカー部がココにいるって聞いたんだけど、いるよね?」


「…あいつらの仲間かよ…」


「いや、…仲間ではないんだけど…」



そう言うと小さな男の子は体を反転させて、どこかへ行こうとする。
そよそよと風が吹いて、懐かしい雰囲気が流れていて、私がいた場所のあのピリピリとした空気が嘘のようだ。



「お前、サッカー部なのか?」


「あ、うん…そうなんだけど」


「じゃぁさ、紹介してやるから、アイツに技撃ってくれよ」


「え…あ、」



15mほど先には、雷門中学のジャージを着た人たちが練習していた。

紹介してくれるって、この子は言った。
雷門と顔見知りなら、わざわざ面倒なことをしなくても、技さえ放てば気づいて、あっちから興味を持ってくれるかもしれない。










   (騙すというのは、辛いけど)











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あきゅろす。
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