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ウサギ形の林檎を残して










…覚悟は、出来ている。



作戦が、決行される。
雷門中学に潜り込む、そのためには、今雷門中が留まっている京都で、派手に暴れなくてはいけない。






―――「…佐久間、」


「…藍か、」



佐久間と幸次郎は、こっちに来てから、…笑わなくなった。



「…行って来る」


「…あぁ、」


「…あの、」


「…なんだよ」


「……、どうした?」



不思議そうに見つめてくる佐久間
真っ白な眼帯を見つめる、不思議そうに私を見つめる佐久間



「……ありがとう」


「っ、?」


「…心を許してくれて、ありがとう」



友達になってくれて、ありがとう



「…藍、」



改造された眼帯から覗く真っ赤な瞳が見開かれて、悲しい♀エ情が彼から感じて、涙を、こらえて



「…次会うときは、前みたく、笑ってよ」


「らッ藍!!!」











『なぁ藍、林檎剥いて』










「…馬鹿じゃねぇの、そんな俺の言葉、覚えてて……クソッ」



ウサギ形の林檎を残して涙を隠す私は、ズルイと思う。











   (約束守ったから、君も、守れよ、ばーか)











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