02
「や、あ…っヒロ、ト……っ、」
「…好きだよ
僕を呼ぶ声、君の表情、僕に溺れるその瞳……壊したくなる」
「ひゃぅ…っあ…ん、」
耳元でわざとらしく囁くのは、そこが俺の弱点だと知っているから。耳から首筋にかけて舌を這わせる彼の姿を見ているだけで失神してしまいそうで、キツく目を瞑った。
「ねぇ…僕のこと、すき?」
「あっ…ん…す、き…」
「…円堂くんは?円堂くんより?」
「…………っいじわる…っん…ふ」
クスクス笑いながら、また舌を絡め取る。意地悪だ、わかっているからこそ、彼は円堂の名前を出す。何回も何回も、角度の変わる快楽に意識がついていかなくなる頃に、ヒロトは握り続けていた手を離す。
「………っ、はあっはあ…っ」
「何回分かなぁ…イキやすくなったよね、風丸くん」
「……そんなこと、ない……」
「じゃあ、僕がだんだん分かってきたんだね、君の身体」
「………っヒロト、」
「ん?」
「…………キス」
「………ん、」
余裕ぶる彼の瞳は、確実に快楽に溺れているのに。こうやって、行為が終わった後のヒロトを見ていると、収まったはずの欲求がまた込み上げてくるんだ。
「………、は…風丸、く…ふ」
「………待って、もういっかい…」
「…………、じゃあ明日は、僕の言うこと聞いてくれる?」
「………うん、」
お互い息も絶え絶えなのに、また銀の糸を引く。お互い濡れた瞳に欲情する。
「……楽しいね、君は」
「……は、ん……っ」
――――君と約束を交わしてから、もっと悪化した気がする
[*prve]
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