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02




「何かあったのかい?
…僕に相談なんて」


「……まず、このことは
円堂…いや、みんなには内緒にしてくれないか?」


「…? うん…別に構わないけど…本当、何かあったの?」



暗闇が支配する部室。
月の光に照らされて逆行となる彼の姿は、より一層麗しくなる。蒸気させたような頬と潤む瞳なのは、夜なのと今日1日の疲れのお陰なのか、少しの沈黙の間考えた。



「……俺、おかしいんだ」


「? どこか具合でも悪いの?」


「違うっ…その……最近、欲求不満、なんだ…」


「………ほぉ、」



正直、驚いた。
大人しくて、明るい円堂くんとはまた違った輝きを持っていて、恋愛事には真剣でねじ曲がったことは言わない
そんな人だと思っていたから。


「…何か、欲しくて堪らなくなるんだ
誰かに抱き締めてもらいたくなる…。いきなりで自分でも制御出来ないんだ……」


「……風丸くん、発情期?」


「……否定はしない」


「……ふぅん」



蒸気した頬も、潤む瞳も、僕の気のせいではなかったようだ。
ちらちらと視線を絡ませてくる彼は、完全に誘っているようにしか見えない。こんなのを相手にしていては、どんなに円堂くんが抑えても抑えきれないだろうな…とか、他人事のように思った。




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あきゅろす。
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