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   何でも君と平等に





ピンポーン



何処でも聞くような、ありきたりなインターホンを押して、機械の向こう側からの返事を待つ。


ここのところ天気が悪くて、今日もさらさらと雨が降っている。



「…げ」


「げ、とはなんだ
プリント持ってきてやったんだから全力でもてなせ」



ヒラヒラと見せびらかすようにプリントを佐久間の顔の前で動かし、ついでに持っていたコンビニ袋も音を鳴らす。見事に袋に意識を持っていくのに成功し、ニヤリと笑みを浮かべた。



「…お土産もあるし?」


「……入れよ」



グレーのスエット姿の後ろ姿が奥に進んだのを確認してから、お邪魔しまーすと呟きながら玄関を慣れたように進む。



「飲みもんは?」


「なんでもいー」


「じゃあ先上がってろ」


「うス」



佐久間の家に来るのは初めてじゃなく、それは俺と佐久間の立場が逆になっても同じことだ。お互い家に親がいないことも多いから、気持ちもよく分かるし

佐久間が熱を出すなんて信じられなくて、でもやっぱり気になったから担任からプリントを預かってきた。
元気そうにはしてるけど、今もおでこに冷えぴた貼ってるし、頬も微かに火照ってるから熱があるんだろう。



「なにこれ、バナナ味のポッキー?」


「佐久間」


「何だよ」


「こっち向いてみ?」


「? ひゃ…っ」



おでこでは冷えぴたが邪魔で測定出来ないから、首もとに手を当てる。確かに、いつもよりも全体的に高くて、どことなく呼吸も辛そうだった。



「…手冷たい」


「だって外雨降ってたし」


「…俺と源田の体温足して二で割れば丁度良いかもな」


「じゃあやるか」


「は? ってオイ!!
移すからやめろ!!!!」


「…良いじゃん、移してよ」


「っっ…………ん、」






 (何でも君と平等に)



      血も、何もかも
    君とわけ合いたい










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