お前と同じ穴
※オチなんて^q^
※服装でブラックリスト夢主と態度でブラックリスト南沢さん
夏休み明けは皆服装がだらし無くなるとか何とかで、朝礼のあとその場ですぐに頭髪、服装検査が行われることになった。私はコレがある度に先生に叱られる。スカートの長さは真面目さに比例するとか、冗談じゃあない、嘘八百も良いところだ。こちとら授業態度は至って真面目、頭の出来は教科で変わるけど、服装とピアスなんかを除けばそこらの不良なんかよりは全然良いはず。なのにスカートが短いからってブラックリストなんて不条理だ、不条理。
「おー検査居残りの常連、今日はスカート短くねえんだなぁ」
「…南沢…こそ、頭髪服装が良いだけが取り柄なのに居残り組?授業態度も悪いし頭髪服装でも悪いなんて本当に不良ね、サッカーしか能ないじゃない」
「サッカーの力で俺の未来は確定してんの」
「私だって陸上で未来はきまってるの!!けど服装のせいで私の未来が危ういの!!」
「だから今日はスカート膝下なのか」
学年の先生達が一人一人生徒を取り囲んで検査をする中、私達はしきりに互いの悪いとこを言い合うのは慣れっこだ。いつもそう、先生には「二人の良いところを分け合ったら我が校の素晴らしい模範になるのに」と言われた。でも今日服装でも引っ掛かってますよコイツ。
「今まで何も言われてなかった南沢が、今日はまた何で引っ掛かったの?」
「んん? ああ…コレ」
「……あ」
サラリと彼は髪をかき上げ、自分耳たぶに触れる。そこには結構大きめな穴が大胆にも空いていた。
「…大胆ね、ピアスなんかしたらバレるに決まってるじゃない」
「お前だってしてるだろ。それに俺がピアス空けた理由は、お前がスカート短くする理由と一緒じゃねえの?」
「…長いスカート、格好悪いじゃない」
「そうそうそれと一緒、ピアスしてた方が格好良いじゃん?」
「…ナニソレ、嘘でしょ?」
「…何で嘘だと思うわけ?」
ニタニタ、彼は腕を組み直しながら私を見る。嘘だ、何となくだけどわかる、そんな確信も無いような理由で彼は自分の身体に穴を空けたりしない。
「……だって、南沢だから」
「…ナニソレ、全然理由になってないんだけど」
クスクスと笑って、順番が回ってきた彼が先生の群れへと歩みを進める。そして彼はその群れの中で堂々とこう言った
「アイツと同じが良かったんだよね、俺」
嗚呼、また私は教室に帰れない。
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