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    ばふぁりん





ぐらぐらと揺れる自分の頭にイライラして、思わず自分の頭を殴りそうになった、自爆なんてやってられっか阿呆。とりあえず、頭痛い。
霧野、と呼ばれてゆっくりと振り向いた。何せ普通にいつも通り振り向いたら頭痛くて死ぬ。声をかけてきた相手は神童で、さっきからイライラしてる俺を見ていたからか少し心配そうな顔をしていて、あ、俺そんなに顔に出てたんだと気が付いてゆっくり、神童に微笑みかけた。


「あの…大丈夫か?」

「ああ大丈夫、動いてないから全然マシ」

「練習休む位だから俺、ビックリして…」

「ハハ、心配しすぎなんだよ神童は」


俺が頭痛いだけなのに、神童は俺の歪む顔を見て半泣きだ。こいつは何と言うか…喜んで良いかわからないな。まだズキズキグラグラと視界が揺れる。


「で…どうしたんだ?部室に用事?」

「あ、いや、こ、コレ…」

「うん?…あ」


神童が見せてきた掌には、頭痛薬が二つぶ。それと神童の顔を交互に見遣ると、今度はカア、と顔を紅く染めてよかったら使って、と頭痛薬を俺に握らせた。マネージャーに貰ってきたから、という彼の手は俺以上に熱かった。


「早く一緒に、サッカーしような」


ニコリ、と小さく笑って、神童はそのまま部室を立ち去った。もう一度自分の掌の中の頭痛薬を見遣る。コレは、ヴァファリンか。
…あれ、確かヴァファリンて


「…十五才以下は一粒で、良いんだよな」


ボーっとした頭でそう、一人呟く。取り敢えず飲もうと、部室を抜け出しマネージャーの元に向かうことにした。






あきゅろす。
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