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   世界が反転する






「……俺を信用するな、神童」


「…、霧野?」



世界が反転した。

綺麗にクルリと、俺の世界は弧を描く。俺の部屋の真っ白な天井と、昔から見慣れた、手入れの施された薄紅色の二つに結われた、長い髪、大きな蒼の瞳。ああ、世界じゃなくて、俺が回ったのか。



「…疲れたよ、もう」


「…霧野、」


「そうやって、俺ばっかり信用して…お前は鈍感だし、雷門のことしか見えてないし、………すぐ泣くしッそうやって今みたいにッ今も無防備で!!」



霧野が怒り出した意味が分からなかった。けど、凄くズクリ、と酷く心臓が痛んだ気がして、顔を歪ませた。彼の綺麗な綺麗な瞳が揺れる、俺をその瞳で殺そうとしてるのか、掴まれた両手首がギリギリと締め付けられて、きつく拳を握った。



「…神童、あのな俺、お前が知っているような頼りがいのある霧野蘭丸じゃあないんだよ」


「…ふ、」


「……幼馴染で親友じゃ、足りないんだ」



ほしいほしいほしいほしいお前が


ポタリ、と頬に、暖かい滴が落ちてすぐ、滑り落ちた。俺の親友は泣き虫な俺なんかよりずっとずっと先を見ていて、俺に助言をくれて、強くて、俺の背中を押してくれる、なくてはならない存在だ。

でも、コイツは俺に甘い、甘い甘い、だからお前は俺のことを何でもわかってると思うけど、違うんだよ、俺だって、



「…俺だって、お前の思ってるような鈍感で、お前のこと見てもやれないような神童拓人じゃないんだ、よ」


「、しんど、」



まさかの反論に動揺したのか、握られていた手首の拘束が緩まったのを良いことに、俺は逆に霧野の手に指を絡め、逆に押し付け上半身を起こした。ガタン、と小さなローテーブルの上の冷めたハーブティーに波紋が広がる。



「…いつもいつも、お前が隣に居るときはいつも、俺はお前が、俺に触れてくれないか、笑ってくれないか、…や、疚しいことだって考えた事だってある!!」


「…神童、」


「お前がッお前の方が鈍感だ!!」



良いから、何も言わなくて良いから、早く早く


「…じゃあ俺、」


お前に触れても、良いのか


その言葉を聞ききってから目を閉じると零れた涙を霧野はペロリと舐め取った。その後すぐにフワリと甘い霧野の香りが降ってきて、優しい抱擁に身を任せた。









世界が反転する
今から俺たちは、お互い知らない自分になる






----------キリトリ----------


初イナGOcpわーい^^!

なんか良くわかんない、わかんないけどこの二人可愛いから書いてみた

まだイナGOでは好きなcpみつかってないから実験してみます








あきゅろす。
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