君に中毒症状
あいつの「愛してる」だとか、「好きだ」って言葉は凶器だと思う。
簡単に俺の理性を抉って、気がつけば彼は、俺の腕の中…いや、俺は彼の腕の中にいる。
…今も、そんな状況で。
「…っマズイって、風丸?」
「…、無理…すまない」
謝りはするけど
離す気はない。
昼休みのトイレの個室。
特に何もないのにフラリとトイレに入ってきて、円堂と喋ってて、個室に引っ張って今にいたる。
「…どうした?
俺、何か風丸が傷付くような事言っちゃったか?」
「…っ」
オロオロしながら、でもちゃんと頭をふわふわと撫でるのは忘れてない。狭いスペースなのを誇示付けに、顔を近付けた。
お互いの呼吸がわかるくらいの。あえて視線を合わせないで、ただ彼にしがみついた。
「…風丸っ
俺さ、自信ない…」
「…? 何のだ?」
「…自分から顔近付けてくるって、
しようって言ってんの?」
「なっ!?」
驚かさるし、抱き締められるし?
俺は構わないけど、良いのか?」
「ちょっココでか?!
無理だ! そうなるなら離れる!!」
必死にもがいても、もう円堂にしっかりと腰を掴まれていた。視線が絡んで、ニコニコと笑みを溢すその顔に笑顔をひきつらせる。
「風丸、大好き!」
「あ…、」
凶器でなんなく、えぐられて、力を入れていた手を緩めてしまう。
みごとに口と口が触れ合って、結局理性を手放してしまう。
「…だーい好き」
「…殺す気か…」
(君に中毒症状)
凶器はすっごく痛くて、優しいんだ
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