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   何が正しいなんて、 1





※冷凍保存パロ
※悪魔で源佐久










―――――遠くから声がする
聞き覚えのない、大人の声




「…………未来の帝国学園には…………」


「………………、彼らが必要だ」








俺は今、何処で
今まで何をしていたっけ。重い瞼を開いて、ぼやけた視界の中で目を凝らす。
何処か地下にありそうな実験室のようで、人工的な光と、四方に密集するワケの分からない機械たちが音を立てて静寂をなくす。


目の前は薄くぼやけていて、ガラス越しだったのに気付くには少し時間がかかった。心なしか肌寒くて、俺は小さく身震いした。




「……源田幸次郎、冷凍保存開始」




……何、だって?



源田?あいつは何をされている?


密閉されたカプセルの中に、膝を抱えて眠るあいつは、心なしか微笑んでいるように見えた。




「…………班長ッ佐久間次郎が…!!」


「……おや、お目覚めかな?」




顔を覗かせた白衣の男の顔に、俺は目を見開いた。



「……影、山……ッ」


「運良く目覚めた君には説明してあげよう、」




ニタリと、不気味な笑みを見せる。奥に見える源田を盗み見た。どんどんガラスは凍結していって、源田の綺麗な顔は姿を消して行く。ちょっと動いた影山の背後にあったモニターに源田の姿が写っているのが見えて、はっきりと覚醒しない頭を無理矢理回転させる。




「私は将来に有能な選手を育成するには時間が足りないと踏んだ。」




耳に障る声が、奇妙な笑いを含みながら室内に響く。



「君達は実に有能だ。よって未来の帝国学園の為に、しばらく眠ってもらい、成長を止める。」


「…な、にを……ッ」


「大丈夫、寂しくなんかないさ」




君達は独りじゃないだろう?




その言葉が、耳から離れなかった。



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