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   君の全てが魅力的




「…髪、」


「え?」


「綺麗な子、好きだな」



そんなことを嫌味っ気のない笑顔で言う吹雪が天然たらしなこと位分かってるけど、あまりにも突然、後ろから髪を触れられて、そう耳元で囁くから


「風丸くん、顔赤いよ? 大丈夫?」


「…あ、あぁ…」



誰のお陰だと思っているんだなんて言えなくて、ただ蒸気した頬に手を当てた。前に回り込んで俺の顔を覗き込む純白の肌の持ち主は、ただ純粋に心配しているようで。



「…ちょっと、ごめんね?」


「? ひゃ…っ」


「……熱は無いけど…休む? 僕付いて行ってあげるから、」



ほら、と手を差し伸べられて、反射的にも手を彼の手のひらにのせてしまう。いきなり距離が限り無くゼロに近付くなんて滅多にないことだから、変な声が出てしまった。彼のおでこも同じような体温で、少しのことだったけど、暖かかったななんて、ボーッと手を引かれながら考えた。「…なぁ、吹雪」


「何? 風丸くん」


「……髪が綺麗な子が好き、って…」



どういう意味?
そう聞く前に、サファイアのような瞳が近付いてきて、口を人差し指で塞がれる。




「…そうだなぁ…理由なんて、ないかも」




貴方の髪じゃなくても
その透き通るブラウンの瞳も
整った形の良いその唇も
スラリと細いその手足も
ユニフォームが映えるその肌の色も、





 (君の全てが魅力的)




      ねぇ、僕の物にしたいよ




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