開き直れ!
「ヒロトはさ、あの…恥じらいとか、無いの?」
イキナリ、こんなことを聞いたものだから、ヒロトは大きな猫目をよりいっそう丸くして、そのグリーンの瞳で俺を射抜いた。と、思ったら、今度は堪え切れなかったのか失礼にも噴出した。
休日にお家デート、って言ったっておひさま園で小さな弟や妹達の相手をしていたんだけど、ちょうどチビ達がお昼寝を始めて一息吐いた時、小声で俺ははそんな事をヒロトに聞いた、土曜の昼下がり。
「わっ笑うなよ!!本気で聞いてるんだよ!!?」
「ハハハ、ごめん、…で、恥じらいだっけ?」
「うん、ヒロトって恥ずかしい事所構わず言ってくるから、何考えてるんだろうって思って…」
「何考えてる、とかは考えもしなかったなあ」
そう言ってヒロトは本格的に思案を始めた。本当に何も考えなしに言っていたっぽい。
ヒロトはすぐ可愛いとか綺麗だとか好きだとか口にして、俺を困らせる。今寝てるチビたちも、リュウジ兄ちゃんとヒロト兄ちゃんはらぶらぶだーとか何とか言われてるのに、ヒロトは逆にそれが嬉しいらしい。
「じゃあ緑川は、恥じらいあるんだ?」
「う、まあ、そりゃあ…恥ずかしいじゃん」
「ふうん」
ニマニマ、ヒロトは気持ち悪いくらいに甘い笑みをその綺麗な顔に貼り付ける。すぐ傍に寝ているチビの髪をサラサラと撫でながら、やっぱり緑川は可愛いなあなんて、言う。
「…緑川、俺眠くなってきちゃった」
「え、あ、じゃあチビ達と一緒に寝て良いよ?俺起こすから、」
「緑川、膝枕してよ」
「あーうん、……はあ!?あッちょっとヒロト…ッ」
そういうと、コロンとヒロトはちょうど正座していた俺の膝に寝転がる。今こんな話をしてたばかりなのに、やっぱり恥じらいなんてヒロトにないみたいだ。
「ヒ、ヒロト…チビたちみたら…!」
「チビたちが居なかったらいいの?」
「そういう訳じゃ…!」
「……眠い、もう寝て良い?」
「〜〜〜〜ッ」
こうなったら意地でも動かないらしいヒロトは、そのまま長い睫を伏せて、俺の膝を抱え込む。足が痺れるかもとかもう、そんな呑気なこと考えてる場合じゃあない、恥ずかしい、しかも二人きりならまだ良いとしても、チビたちの前で…
「……これが当たり前になれば、恥じらいなんてなくなるでしょう?」
「………あ、」
納得しちゃうのもアレ、だけど
開き直れ!
今のうちに慣らしとかないと、ね
----------キリトリ----------
お待たせいたしました!
十夜様よりバカップル基緑でした!!
いやあこのリクエスト一番創りやすい様で一番創りづらかった気がします、我が家のいちゃらぶは半端甘ですから激甘ってなんだろうって…笑
結局半端な味付けでしたがどうぞお召し上がりください…!
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