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俺だって一緒さ




※年齢操作で受験生イレブン




図書館に行ったら、見慣れた朱い髪が目に付いた。
耳の上でぴょこん、とはねた髪、いつも見慣れない黒縁めがねをしていたのに気付いたらドキ、として教科書やら参考書やらを落としそうになった。


いつも俺はヒロトより順位が低かった。
毎回テストは勝負して、でも負けて悔しいから、もっと集中しようとココに来たのに、アイツが居たから考えを見透かされたんじゃないかって、少しビックリしたんだ。



(…気付きやがった…)



あいにく図書館だから声は出せず、ばっちり目があってしまった俺はブンブンと元気良く手を振る彼の元へ行かねばならなくなった。

彼と勉強は出来ない、筆談でめちゃくちゃに話しかけてくるからだ。
だからヒロトとは絶対に勉強しない、俺だって第一志望は受かりたいし。



(風丸くんも勉強しに来たんだ?)



さっそく見せられたクセのある字を読みきって、向かいに座らせられた俺はとりあえず参考書の間に挟んでおいたいらないプリントを裏返して返事を書く。



(そう、だからあんまり話しかけないでくれよ)


(どうして?)


(…集中したいからだよ)


(つまんないなあー)



クスクス、小さく笑いながらヒロトはまた参考書に視線を落としたから、俺もホッとして自分も勉強に集中した。


…のは、良いんだけど、
今度は俺が集中できなくなった。

一応俺達は付き合ってるんだ、受験勉強の合間にサッカー、疲れて寝て、勉強してサッカーして、だから、ヒロトと過ごす時間なんて全然ないわけだ。
それに彼のいつもは見られない真剣な顔は予想以上に綺麗で、あれ、見ないうちに大人っぽくなったか?
なんて全然参考書に並ぶ公式が頭に入ってこない。



(どうしたの?)



ボーっとしていると、目の前にそんな言葉が突き出されて我に返る。
ヒロトのほうを見れば、不思議そうに小首を傾げるヒロト。

いつもは掛けていない眼鏡、似合うなあ…
なんてまた違うことが頭に浮かんでしまって、ソレをかき消すように俺は今さっき突き出された言葉に返事をした。



(別に、何も)


(うそつき)


(うそじゃないよ)



サラサラと返事を返すうちに、面倒くさいともどかしくなってくる。
ヒロトも同じだったのか、チョイチョイと手招きして、耳を貸せと近づいてきた。

言われた通りにヒロトに俺も近づけば耳元で空気を小さく吸い込む音が聞こえた。




「…俺に、見とれてたでしょ?」


「っっ、ヒロッ」


「しー…図書館では静かに、ね?」


「〜〜〜ッ!!」



真っ赤になる俺をよそに、ヒロトはまた元のようにシャープペンを握って、俺達の会話だらけのプリントに、また字を滑り書きした。









俺も、見とれてたよ
 …ヒロトにはいつも負けてる、多分一生勝てない






*―*―*―*



遅くなりましたが…
シロナ様へヒロ風でしたーッ


受験生イレブンで中編やりたいなあ…



リクエスト
ありがとうございました!!






あきゅろす。
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