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REBORN!
眠りの前夜
ーバァーン
辺り一面煙りで巻かれていおり、そこには銀色の髪をした、まだ幼さを残している少年が傷ついた体をかばい、壁に寄り掛かりながら地面に座っていた。

そして、その少年が見つめる先で、2人の男が対峙していた。

”9代目と呼ばれる男”と”義理の息子のザンザス”。

しかし、9代目にはいつもの気品のよさはなく、全身傷だらけだった。

ザンザスもまた、全身に傷を負っており、いつも以上に怒り狂っていた。

ーハァッ、ハァッ
『チッ、まさか、ここまでボンゴレがやるとはな・・・だが、もう少しだ、負けるなよボスさんよ。』

ーゴォォオ・・・
「まさか、お前がここまでできるとは思わなかったぞ・・・老いぼれが・・・!!」

ーハァハァ
「家光はお前を殺すなと言ってくれた」
一瞬だけ9代目は穏やかな顔をした。きっとそれは家光が言ってくれた言葉のおかげだろう。

「だが、これだけの犠牲をだした以上・・・お前を生かしていておくわけにはいかん・・・」

だが、その言葉とは裏腹に瞳には迷いの光が宿っていた。

ーゴホッ、ハァハァ

「せめて・・・わたしの手で・・・」

そして、とても悲しそうな表情のままザンザスを見つめていた。

「ブハハッ!やっと本性をだしたなジジィ。これでお前の念願が叶うわけだ!!」
(…あぁ、もうザンザスには何を言っても届かない。)

そう言われた瞬間に9代目は確信した。だがその原因を作ってしまったのは自分であるがゆえに自分の愚かさを思い知った瞬間でもあった。


「ザンザス・・・。」

そう呟いた9代目の表情はボンゴレのボスとしての表情ではなく、1人の父親としての表情だった。

「・・・なぜだ、なぜお前は・・・」

ーゴォォオ

「うるせぇ!!それはお前が一番よく知ってるはずだ。それに俺はお前を倒してアイツを・・・夜月を迎えに行く。」

『夜月?前にも聞いたことある名前だったな・・・ザンザスが愛した女か。』

そう呟いたスクアーロの顔は焦りはなく、穏やかだった。
まるでザンザスの勝利を確信しているような・・・。

ーゴォォオ

「わかったらかっ消えろ!!」

ザンザスは9代目に詰めよった、その手に怒りの炎を宿して。

その瞬間スクアーロは次で決着がつくと確信した。

「・・・みんなすまん。やはりわたしには・・・。」

―すまないね夜月君。キミとの約束は果たせなかったよ・・・。―

ーボボッ、ボォォッ
その瞬間9代目が持つステッキが光りだした。

「ッ・・・!?ガハァッ!!」

ザンザスの傷ついた体は本人の赤い血によって染まっていった。

「な・・んだこれは・・・。」
ザンザスの手足が凍っていく。


―俺はこんな老いぼれに・・・。
なにより夜月との約束はどうなる。−

「や・・・夜月」

最後に愛しい人の名を呟き、ザンザスは深い眠りに堕ちていった。


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