恋桜―こいざくら― 恋とは呼びたくない…1 あれから空は、煮えくり返る腸の熱に促されるようにして、その場から逃げ出した。 「何だってんだよ、あいつ…」 放課後のあのハプニングが嫌でも脳裏を掠め、イライラを隠せずに自室のベッドでバタバタと暴れる。 「あぁーっ!くそっ!マジ何なんだっ!!」 突然抱き寄せたと思ったら、オレのファーストキスまで奪いやがって…。 もちろん腹立たしい気持ちはあるのに、無意識に先程奪われた唇をそっと指で撫でる…。 ボッ! 思わず、あの時のキスを思い出してしまい、空はお湯を沸かせるのではないかと言うほど、顔を真っ赤にさせた。 「///どぁぁぁ〜っ!!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |