恋桜―こいざくら― 6 さすがに謝らせ過ぎなのでは…と、空の良心がチクリと痛んだ。 今回のハプニングを水に流すことはさすがに出来なかったが、誰かと間違っていた事には違いないのだから、仕方がない…と、半ば強引に自分を納得させる。 目の前の人物の策略にまんまとハマッタことなど露知らず…。 「…で、何でお前がオレのこと知ってんだよ」 「あっ、オレ相田先輩と同じ中学校だったんです。それで…」 「ふぅ〜ん。で?」 「…で?」 「だから!どうしてオレを知っているのかって聞いてんのっ!」 「あぁ。だって相田先輩、中学校の時有名でしたよ。“可愛い先輩”って」 同じ中学の後輩だったという事には納得できたが、その“可愛い先輩”と言う言葉に反応を示 す。 「だ、誰が“可愛い先輩”だっ!オレは男だっ!!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |