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恋桜―こいざくら―

  あの時、出会ったあの瞬間、目に映りこんだ貴文の涙、そして演出してくれた『恋桜』の舞い散る花弁…。 
  その瞬間に空の心は当に貴文に奪われていたに違いない。 
  少し…いや、かなり強引でオレ様な所が見え隠れしている貴文が、それでも魅了される空の放つ芳香に酔わされ、長年恋焦がれた空をその腕の中に抱きしめているこの瞬間は、紛れもない事実なのだ。      
 
 『恋桜』が認めてくれた二人だからこそ、結ばれた運命…。   
  叶わぬ思いを胸に秘めた恋人同士が、自分たちの思いを重ね引き合わせた二人なのかもしれない……。   
 
  空と貴文を『恋桜』の花弁たちが二人を包み込むように、ひらひらと春風に身を任せて踊り続けていた…。       
 
 

―『 二人は… その手を離さないでね…… 』―          





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あきゅろす。
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