恋桜―こいざくら―
3
甘く疼き出した空の感情が加速していく。
貴文に向かって一直線に。
「…んっ、はぁっ…」
甘く切ない思いを含んだ口づけが、音を立てて深まっていく。
クチュリ…チュプッ…
「先輩…好きです」
「オレも…好き…かも」
「んぁ…う、…んはぁ…」
「かも…ですか?意地が悪いですね先輩…」
試すように深められるキスに、心だけでなく身体の中心まで疼かせ始める空が零す甘い喘ぎ…。
「……んっ」
「愛してます…先輩」
「オレも…貴文が好きだ…」
僅かに唇が離れるたびに紡がれる愛の告白。
空が必死に拒んだ、自分と同じ性への恋愛感情。
だが、きっとそれは“内藤貴文”という人間だから許された特権なのだろう。
貴文を受け入れた=男でも大丈夫
空の中に…それはない。
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